女性のためのキャリアの考え方~家庭と仕事4つの方向性

男女雇用機会均等法が制定されてから30年が経ち、キャリアの入り口の男女差は解消しつつありますが、それでもキャリアにおける男女の格差(女性が受けるハンディキャップ)は依然として存在し続けています。
今回は就活生のなかでも特に女性に焦点をあてて、これからどの様なキャリアを歩んでいくべきか考えていきたいと思います。

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女性のキャリアを積む上でのハードル

子供を産み・育てる場合において、女性がキャリアを積んでいく上で直面するハードルとしては、次の3つが挙げられます。

1. 妊娠・出産に伴う休職 or 退職のハードル
2. 仕事への復帰のハードル
3. 復帰後のハードル

子供を産む場合、1.の産休・育休、もしくは退職することは避けられません。
また、育休を終えて、仕事に復帰する際にも、「子供を保育園に預けられるか」「転職活動ができるか」といったハードルが待ち構えています。
さらに無事仕事に復帰したとしても、子供の急な体調不良などで勤務に制限があったり、やりがいのある仕事を任せてもらえなかったりと、復帰後もハードルが待ち構えています。

詳しくは「女性が出産・育児を通して直面する 3つのキャリアのハードル」をご参照ください。

女性のキャリアの4つのパターン

では、そのハードルを踏まえて、女性はどの様なキャリアの選択肢があるのでしょうか?

一つの指標となるのが、仕事と家庭のバランスです。
どんなに能力が高い人でも、これらに割ける時間は平等です。そのため、何かを我慢しなければならない局面が出てくるかもしれません。
仕事・家庭のどちらに重点を起きたいのか、もちろん高い次元で両立することも可能ですがその場合、周りに比べて自分の時間(睡眠時間や余暇の時間)を犠牲にすることになるかもしれません。

自身が何にどれくらいの重点を起きたいのかを考えてみましょう。仕事と家庭のバランスに応じて4つのタイプに分けることができます。

1. 男性と対等に働き、キャリアアップを目指す
2. 仕事を継続し、家庭と仕事を両立する
3. 転職して働きやすい職場を探す
4. 一旦就職するが、後に専業主婦として家庭を守る

専業主婦として家庭を守る 転職して働きやすい職場を探す 仕事を継続し、家庭と両立する 男性と対等に働きキャリアアップする
 選択肢 大学卒業後に一旦就職するが、結婚または出産を期に退職し、そのまま専業主婦として家庭を守る。 出産を期に退職し、家庭のの状況に合わせて仕事を探す。
(比較的責務の少ないパートや派遣社員として活躍する)
産休・育休を取得するが、そのまま仕事を継続し、仕事と家庭を両立する。 産休・育休を取得する(もしくは、産まないという選択肢もある)が、その後も男性と対等に仕事をこなし、キャリアアップする。
メリット 家庭に全力投球でき、子供との時間を十分に持つことができる。 子育てが一段落するまでは家庭を大切にするが、手が離れるようになってから再度仕事を探すなど、子供の成長に合わせて仕事を調節できる。社会との接点を持ち続けられる。 一定の仕事の充実感と安定性が高い(職を失うリスクが少なく、年収減もある程度までで抑えられる) 自身のキャリアアップを実現できる。やりがいの感じられる仕事に取り組むことができる。
デメリット 自立して生きていけない。(一部には社会との接点が無くなることに不安を感じる人もいたりします) ・(育児と仕事を両立する場合)保育園に入園させられるか・ブランクがあるため転職しにくい。自身のスキルが足りないと希望の職種に就けない可能性が高い。 ・会社側に子育てをする主婦を支援できる体制が必要・保育園に入園させられるか()・同じ会社に勤めていても以前のようにやりがいのある仕事に就けない可能性がある パートナーの理解と協力が必要であるが、現状の日本では男性が家事・育児を代替する割合は少ない
対処法 結婚相手探し 退職するまでに自分の実績・スキルを高める。(仕事にてめざましい成果を出すか、資格をとるなどスキルを高める。) 家庭との両立に理解のある会社選び
・時短勤務をさせてもらえるか
・休みの融通が効きやすい職種に異動させてもらえるか
・やりがいのある仕事をさせてもらえるか)
理解のある夫を探す。(もしくは両親やベビーシッターなど、使えるリソースを有効活用する)

1. 男性と対等に働き、キャリアアップを目指す

バリバリ仕事をこなして、男性と対等にキャリアアップしていきたい場合はこちらに該当します。
仕事打ち込む分だけやりがいのある仕事を任せてもらい、充実感のあるビジネス人生を送ることができるでしょう。

一方、前述の通り家事も仕事も両立したいのであれば、何かを犠牲にしなければならない可能性があります。(自分の時間や、もしかして子供を産むことを諦める選択肢もあるかもしれません)

しかし、残念ながらこれらを高い次元で両立できるのはスーパーウーマン的女性に限られてしまい、「自分が選んだ道だから」とすべてを抱え込んで不調をきたしてしまうことも少なくありません。

そのためにも使えるリソースを十分に活かすことが、あなたにとっても家庭にとっても重要になります。

理解のあるパートナーを探す

自身の代わりに家事育児を担当してもらえるパートナーを探すのは一つの方法です。(専業主夫にならなくても、急な子供の体調不良の際に男性側が仕事の都合をつけてもらえるだけでも大きな負担減となります)

ただし、女性の代わりに家事育児をしたいと思う男性は多くありませんし、また男性の育児休暇取得率が極端に低いな企業側の理解も少ないのが現状です。

両親を頼る

両親が近くに住んでいるのであれば、育児でサポートしてもらうのも一つです。ただし、実家の近くに住んでいる人は少なく、実現可能性は低いのが現状です。

ベビーシッターを活用する

育児でどうしても手が離せない場合にプロの手を借りる方法もあります。

2. 仕事を継続し、家庭と仕事を両立する

女性の直面する3つのハードルでお伝えしたように、一度退職してから再度転職活動をし、そして以前と同じような仕事をするのはかなり難易度が高くなります。
一方、育休・産休を経てもその会社に籍を於いていれば、(一時的に報酬減、やりがいの感じられない仕事を担当することになるかもしれませんが、)退職するケースに比べ元のレールに戻りやすいといえるでしょう。
また、子供を保育園に預ける場合も、退職した場合に比べ基準指数が高くなり、子供を預けられる可能性が高まります。

一方、このケースでは、会社側に子育てをする主婦を支援する体制があるかどうかが問題となります。
就活の際に育休取得率などを気にする方もいらっしゃるかもしれませんが、本当に見極めなければならないのは、仕事に復帰した後です

というのも、たとえ保育園に預けられたとしてもお迎えの時間があったり、、場合によっては子供の急な発熱でなどで時短勤務(通常の8時間労働ではなく、5時間などに短縮して勤務すること)や会社を休む必要が出てくるでしょう。このような場合に融通が効きやすいかは重要になります。(会社によっては在宅勤務などをさせてもらえる場合もあったりしますが、まだ実例はほとんどないです…)

また、勤務体系など配慮してもらえたとしても、勤務の制限により必然的に以前よりも重要度の低い仕事を任せられる可能性もあり、あなた自身が仕事に充実感を感じられなくなる可能性もあります。

どれくらいの女性社員が家庭と仕事を両立しているのか、またその人達はどの様な働き方(勤務体系)で、どの様な仕事をしているのかをヒアリングすることで、復帰後のイメージもつかみやすくなるのかと思います

※また、育児と仕事を両立していくので、保育園探しは必須です。

3. 転職して働きやすい職場を探す

家庭の状況に合わせて仕事を変えていくことで、家庭に無理の生じない範囲で仕事をすることができます。

ただし、一旦退職してしまうと勤務実績がなくなってしまうため、保育園に預ける際の基準指数が低くなり、「働きたくても働けない」状態になってしまうこともあります。

また、育休・産休と仕事のブランクがあるうえ、場合によっては育児などで勤務に制限が出てくることから、思うよな転職活動ができない可能性があります。

再度仕事への復帰を考えるのであれば、退職する前に自分の脳力を高めておくことが必要です。何らかの成果(社内MVPなど)を残し、転職の際にアピールできる点を増やすことや、資格を取って実績を積み転職することが挙げられます。

(会計士や社労士など)士業の仕事は他の職種に比べて遠隔で仕事がしやすいので、場合によっては家にいながら仕事をできる可能性もあります。

4. 一旦就職するが、後に専業主婦として家庭を守る

子供や家庭のために専業主婦として家族を支えるケース。家族のために時間を十分に使えることはメリットです。

一方、日本人の平均年収は年々減少しており、パートナーの収入だけで生活していける結婚相手を見つけることは難しくなりつつあります。

また、万が一二人の関係がうまくいかず、別の道を選ぶことになった際に、自立していけるのかという問題もあります。(かなり不確定要素が高い選択でもあります。)

さいごに

女性は男性よりもキャリアを歩む上でハードルが多く存在します。したがって、まずは現状を知り、どの様な生き方をしていきたいのかを考えてみましょう。

Appendix 夫と仕事の関係マトリクス

中野円佳氏の著書『「育休世代」のジレンマ: 女性活用はなぜ失敗するのか?』では、夫への期待と、就職活動時に女性の働きやすさを重視したかを元に、女性の志向類型を以下の4つに分類している。

マッチョ型:家事も仕事も1人でバリバリこなす場合
対等型:男性が育児において仕事を調整するなど譲歩し、女性が働く場合
伝統型:パートナーにはあまり期待をしておらず、女性が働きやすい職場にて仕事の調整など譲歩する場合
WLB型:夫婦ともに譲歩しあう場合。

 

「夫への期待」と「働きやすさの重要度」からみる 女性の志向類型

この他にも同書では女性がキャリアを考える上で非常に参考になる記述が多いので、一度読んでみることをおすすめします。

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