女性が出産・育児を通して直面する 3つのキャリアのハードル

女性が家庭と仕事を両立させていく上で、次の3つのハードルがあります。

1. 妊娠・出産に伴う休職 or 退職のハードル
2. 仕事への復帰のハードル
3. 復帰後のハードル

子供を産む場合、1.の産休・育休、もしくは退職することは避けられません。
また、育休を終えて、仕事に復帰する際にも、「子供を保育園に預けられるか」「転職活動ができるか」といったハードルが待ち構えています。
さらに無事仕事に復帰したとしても、子供の急な体調不良などで勤務に制限があったり、やりがいのある仕事を任せてもらえなかったりと、復帰後もハードルが待ち構えています。

確かに、日本の社会は働く女性(主婦)にとって厳しい現状ではありますが、その現状をしっかりと認識し、仕事と家庭の方向性を決めていくことで幾分か、ハードルを下げることができます

今回は、働く女性が直面するハードルについて考えていきましょう。

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1. 妊娠・出産に伴う休職 or 退職のハードル

当然、子供を産むことができるのは女性にしかできないことですので、必然的に産休・育休で仕事から離れなければなりません。
選択肢は休職(産休・育休を取って、会社に籍を置いたまま休みをもらう)と退職(その会社から一旦退職し、その後別の会社に転職する)の2通りありますが、どちらにしても仕事から離れざるをえないため、同じ能力の同期の男性と比べてどうしてもキャリアアップが遅くなってしまいがちです。

この休職・退職は不可避であるため、キャリアアップしたい場合、産休・育休に入る前に男性よりも実績を積みアドバンテージを築いておく必要があります。

 

2. 仕事への復帰のハードル

産休・育休を終えて仕事に復帰する際にも、「保育園に子供を預けられない」または「転職活動で希望の仕事が見つからない」いなどのハードルがあります。

保育園に子供を預けられない

育児と平行して仕事に復帰しようとする場合、どうしても勤務時間中に子供を預ける必要があります。
実家が近ければ親に協力してもらうなどの方法がありますが、これができる人はごくわずかでしょう。
大多数の親は保育園に子供を預けることになりますが、みなさんもご存知のように、現在保育園の不足により子供を預けられないことが問題となっています。

一般的に保育園に子供を預けられるかは、その世帯の状況などによりポイント(基準指数)をつけ、そのポイントが高い順に入園が決まります。

例えば東京都港区の場合、
「週5日以上の就労+日中8間以上の就労を常態としていることが確認できる者」→18ポイント
「週3日以上の就労+日中4時間以上6時間未満の就労を常態としていることが確認できる者」→6ポイント
「求職のため、日中外出を常態」→2ポイント
「新規入園希望のひとり親世帯」→+2ポイント
「父母を除く同居の親族に保育に当たれる人がいる世帯」→6ポイント

などの指数の設定があり、保育園を必要としている世帯が入園しやすいような仕組みになっています。(各市区町村毎に基準が定められているため、「[市区町村]+保育園+基準指数」で検索してみるとよいでしょう。)

保育園に入所できない場合は無認可保育園に預けなけらばならず、(その費用は施設によって異なりますが、)一般的に5~7万と言われています。
復帰後は仕事量・勤務時間にも制限があり年収も低下してしまうため、「折角仕事をして働いても、そのほとんどが保育料に取られてしまう」なんてことも起こりえます。

したがって、仕事に復帰する上で保育園(特に認可保育園)に預けられるかが大きな要素になってきます。

転職の際に希望の仕事に就けない

また、出産を期に会社を退職し、再度転職する場合においても、
・そもそも産休・育休でブランクがあること
・子育て期間中は(子供の病気などで)仕事を休まざるを得ないこと
などの理由から、企業が積極的に採用するメリットが少なく、以前の仕事と同等のやりがい・報酬の仕事を探すのは難しいのが現状です。

また、転職活動中の場合、保育園の入所基準指数は2ポイントとなり、週5日8h勤務の18ポイントに比べて圧倒的に低くなってしまいます。
そのため一旦退職してしまうと、保育園に預けられない→希望の仕事が見つからない→職種ランクを落とすと無認可保育園にも預けられない、といったスパイラルに陥ってしまうこともあるのです。

3. 仕事復帰後のハードル

子育て期間(特に子供が小学校高学年になるまで)は、子供の急な体調不良で仕事の調整が必要になるなど、勤務時間に制限がある、または急に休みを取らなければならないことが発生します。

もちろん、子育てにおいて夫の協力を得るなどの方法もありますが、現在の日本ではまだ「子育ては母親がするもの」という認識があり、どうしても女性が勤務の制限を受けてしまいます。

会社の支援体制が整っているか

企業によっては、子育て中の母親のために時短勤務や出勤日数の調整をしてもらえたり、保育所を併設していることもあります。
職種によっては在宅勤務ができるものもあるかもしれません。

一方、社内にそのような制度は存在しても実際に運用されていないケースもありえます。会社を見極める際は、実際に子育てと仕事を両立している女性が何人働いていて、どの様な勤務体系なのかをファクトベースで抑えていくとよいでしょう

制限のある中での仕事に満足できるか

ところが、支援体制が(過剰に)充実しすぎていても、逆にマイナスに働いてしまうこともあります。
女性を支援するための「以前よりも負担の少ない仕事」「急な休みにも対応できる仕事」というのは、「仕事のやりがいや充実感」とトレードオフの関係にあり、会社側が下手に配慮すればするほど、女性が働く意義を見出しにくくなってしまうケースも有ります。

復帰後にどの様な勤務体系があるのかとあわせて、どんな仕事を任せてもらっているのかも確認するとよいでしょう

企業によっては、子育て中の母親のために時短勤務や出勤日数の調整をしてもらえることもありますが、その場合、以前のように「やりがいのある仕事」というより、「誰にでもできる仕事」にならざるを得ません。

さいごに

女性を取り巻く環境としてはまだまだ不十分な点は多く存在しますが、少しずつ改善されつつあります。

みなさんも今の環境を理解し、その上で自身のキャリアを考えていってください。

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