日系大手の人事責任者が面接で何を見ているか

2014/03/03の日経新聞に面接に関して各社の人事責任者のコメントが記載されている。

感想と合わせて解説していこう。斜体文はすべて2014/03/03 日本経済新聞 19面 『面接、自分らしく』より引用。

日本生命保険 (人材開発室 室長)

同社は面接で「頭の良さ」「コミュニケーション力」「やる気」の3つを重視している。「3回のなぜ」で、想定外の質問にもきちんと答えを組み立てられるかを通して頭の良さを問う。「学生時代に何をどう考えて行動してきたかという話はそう簡単には作れない」。自分の過去の行動をもとに深く思考する力を探る。コミュニケーション力は「ノリが良くて会話が弾むということではない」と指摘する。課題を解決するためにどう取り組んだのか経験を話せることが大事なようだ。

http://www.nikkei.com/article/DGKDZO67544130Y4A220C1TCP000/
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より良いコミュニケーション力とはバックグラウンドの異なる相手に自分の考えを理解して、納得してもらい、自分の理想とする行動をとってもらうことだ。

もちろん面接官と仲良くなるコミュニケーションが実務に結びつく職業であれば「ノリが良くて会話が弾む」ことは重要であるが、仲良くなるだけでは保険は売れないことは仕事の詳細がわからなくてもイメージが付くのではないか。
結局企業は自分の会社でパフォーマンスを発揮してくれるのかの再現性を確認したいと考えているので、その企業がどんなビジネスを行っていて、入社後にどんな職務が待っているのかを考えると面接で何が問われているのかが透けて見える。

 

りそな銀行 (グループリーダー)

「自分を良く見せようとガードが堅すぎるとかえって内定を出しにくい」という言葉が返ってきた。
(中略)
準備した回答にこだわると、「本心が見えない」と受け止められてしまうことも多い

http://www.nikkei.com/article/DGKDZO67544130Y4A220C1TCP000/
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こちらもいい得ている。
本心が見えないことに合わせて、自分を良く見せようとガードが堅すぎる場合、できない自分を受け入れない「自己防衛」の本能が働き、入社後の成長が阻害されることもある。
できる自分を見せることももちろん必要であるが、実際の自分の実力以上に誇張することはマイナスに働くので注意しよう。

 

三井住友銀行 (人事部 採用グループ長)

「働く環境の変化を前向きに捉えられるかを重視している」
(中略)
総合職は転勤や移動があり、業務内容が変わることが多い。そうした場合でもきちんと仕事をこなせる人材を求めている。

http://www.nikkei.com/article/DGKDZO67544130Y4A220C1TCP000/
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銀行という特性上転勤や異動が多いため上記の採用基準はイメージしやすい。
また、金融機関ということから法律での制約もおおく、決められた環境の中でいかにパフォーマンスを発揮できるのかが問われるのだろう。

 

富士重工 (人事部 担当部長)

サークル活動の話になったとき「そもそもなぜそのサークルを選んだのか」との質問を投げかける。どんな判断をして決めたのかを説明してもらうことで、どのような要素に共感し、興味をもつ人物であるかを見るためだ。

http://www.nikkei.com/article/DGKDZO67544130Y4A220C1TCP000/
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こちらはいままでの企業とは少しレイヤーが異なり、「その学生が会社で活躍できるか」ではなく「会社の中でその人が幸せになれるか」の視点での質問とかんがえられる。過去の意思決定の傾向を知ることで、今後その学生がどのような意思決定をしていくのかが推測できる。

 

イオングループ (グループ人事戦略チーム リーダー)

面接では「価値観を共有できるかどうか」を探る。地域社会に貢献するという理念にそって行動できる人を求めている。「指示待ちではなく、率先して行動できる人物かどうかが知りたい。起業家精神があるかどうかも大事」。そうした人物かどうかを探るため、面接では学生時代に打ち込んだことを聞く。「限界までどう努力し、どう問題を捉え、どう解決しようとしたかを重点的に問う。学歴や大学時代の専攻、出身地などは関係ない」

http://www.nikkei.com/article/DGKDZO67544130Y4A220C1TCP000/
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「起業家精神」が何を指しているのかは不明だが後半は同意出来る部分が多い。この面接で何を見ようとしているかについては『コンピテンシー面接マニュアル』を読むと理解できるのではないだろうか。

1. 決められたことに対して必要なことが達成できていない
2. 決められたことに対して行動し、達成している。
3. 決められたことの範囲の中でより良い成果を出すために工夫している
4. 制約を超えてチームにとってより良い成果を出すために工夫している
5. 新しいイノベーションを起こし、飛び抜けた成果を出している

学生時代に打ち込んだことに関しても上記のようにランク付けすると、イオングループは「3」以上の取り組みをした人を求めていることがわかる。

 

「面接で何を見ようとしているのか」について各社のコメントをみることで、その会社のビジネスや人材に関する考えが見て取れる。
逆に、その会社がどのようなビジネスをしているのか、どんな人材を求めているのかを知ることで、面接で何が問われているのかを推測することもできる。

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