Webテストの裏側~学歴フィルターと替え玉受験について

企業の選考を受ける上での第一関門であるWEBテスト。
さまざまな攻略本が出版されていますが今回はそのような攻略法ではなく、人事側からみたWEBテストの裏側についてお話したいと思います。

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筆記試験の種類

自宅受験型(WEBテスト)

自宅・もしくは学校のPCなど、好きな場所で好きな時間帯に受けられるWEBテストです。一般的にWEBテストと言う場合はこちらの試験を指すことが多いでしょう。

場所の指定がなく本人確認もありませんので、やろうと思えば替え玉受験や複数人で問題を解くこともできてしまいます。

テスト名 言語 計数 図形 英語 性格 運営会社 初期費用 単価
WEBテスティング(SPI) × × リクルート 4,000円~
玉手箱 × エス・エイチ・エル 100万円 1000円
250万円 500円
Web-CAB × × エス・エイチ・エル 3万円 3,000円
Web-GAB × × エス・エイチ・エル 100万円 1000円
250万円 500円
TG-WEB × ヒューマネージ
CUBIC(適性検査) × × × × ジー・ディー・エル 2,000円~
CUBIC(能力検査) × × ジー・ディー・エル 500円/1科目
BRIDGE リンクアンドモチベーション
TAL × × × 人総研 1万円 3,500円
3E-IP エン・ジャパン 1.5万円/月 3,200円

会場受験型(テストセンター)

選考を受ける企業内、もしくは試験会場で受けるタイプの筆記試験です。日時と場所が決められており、試験に際しては本人確認もされるので替え玉受験はできません。

テスト名 言語 計数 英語 常識 性格 運営会社 初期費用 単価
テストセンター
(施設受験)
× リクルート 5,500円~
テストセンター
(社内受験)
× リクルート 4,000円~
テストセンター
(マークシート受験)
× リクルート 5,000円~
C-GAB × エス・エイチ・エル 4,000円
(冊子500円,採点3,500円)
ヒューマネージ × ヒューマネージ
SCOA 日本経営協会研究所 3,900円(基礎能力のみ)
4,400円(性格診断とのセット)

筆記試験の評価シート

各試験の結果は企業側に評価シートとして表示されます。
各社の評価シートのサンプルは公開されていますので参考まで見ておいてもよいでしょう。

テスト名 運営会社 評価シート
SPI リクルート サンプル
玉手箱 エス・エイチ・エル
CAB・GAB エス・エイチ・エル サンプル
TG-WEB ヒューマネージ
CUBIC
(適性検査)
ジー・ディー・エル サンプル
CUBIC
(能力検査)
ジー・ディー・エル サンプル
BRIDGE リンクアンドモチベーション サンプル
TAL 人総研
3E-IP エン・ジャパン サンプル
SCOA 日本経営協会研究所 サンプル

筆記試験の費用と学歴フィルター

筆記試験の費用

このように、自宅受験型では学生一人あたり3,000円、会場受験型では4,500円程度の費用が発生しています。(記載の金額は各社が出している定価であり、受験者が多い場合はこれより割引されることもあります)

みなさんも一度は受けたことのあるテストセンターは、一度受験すると1年間その成績を使いまわして使用することができ、学生にとっては嬉しい仕組みであります。
しかし、例えば5つの会社からあなたの成績の問い合わせがあれば(受験は1回だけですが)、請求ごとに売上が発生しますので5,500円×5社=27,500円の売上になります(なかなかえげつない商売ですね…)

企業側にとっても、例えば1万人の応募者がテストセンターを受けると、テストセンターの費用だけで5,500万円も発生してしまいます

一般的に新卒採用の場合、採用1人あたりトータルで100~200万円の費用かかるとされています。例えば200人ほど採用する会社(総合商社の総合職の採用が大体これくらいの人数です)では、トータルの採用費(リクナビなどへの広告費、応募者管理システム費、会社説明会の会場費など)が3億円程度と見込まれます。
もし、この会社が1万人テストセンターを受けたとすると、それだけで、年間予算の2割ほども使ってしまうことになります。

200人も採用するような大企業からすると3億円は少ないように感じるかもしれませんが、日本の企業の営業利益率は大体5%程度ですので、この採用費を捻出するためには60億円もの売上が必要となるのです。

企業が費用対効果を上げるためにすること

企業の採用費には限りがあり、採用責任者はいかに低コストで良い人材を獲得できるかが問われます。そのため、(必要経費ではありますが)なるべく筆記の費用を抑えたいのが現実です。

ではどのように削減するかというと、筆記試験の受験者人数を一定のラインに留める施策をとります。つまり、筆記試験の前に何かしらの選考(ES選考など)を入れ、筆記試験の受験者数に制限を設けます
企業の選考が基本的にES選考→WEBテストとなっている理由がここにあります。

しかし、ES選考といってもひとりひとりのESをじっくり評価し、ランクを分けるのはかなりの手間になってしまいます。(ES選考に1人1分かかったとしても、応募者が1万人いれば1万分=166時間、5人が1日8時間ぶっ通しでチェックしても4日以上もかかってしまいます。)

そのため、負担の少ない方法として取り入れられているのが、学校名でふるい分けする方法です(いわゆる学歴フィルターと呼ばれるものです)
そして、大学入試の偏差値と筆記試験(WEBテスト・テストセンター)の成績には相関があり、筆記試験の通過率が高い大学(偏差値が高い大学)が優先的にこの事前選考を通過することができるのです。

もちろん、入試の偏差値が低い大学でも優秀な人・輝いている人はいらっしゃるのですが、その割合は偏差値が高い大学に比べてどうしても低くなってしまいます。そのため、費用対効果を考えると企業としては優先度を付けざるをえないのです。(100人中優秀な人が10人いるグループと1人しかいないグループがあった場合、どちらにアプローチするかは費用対効果を考えると答えは明らかです)

すべての企業が学歴で人を見ているわけではありませんが、このように学歴フィルターを使わなければならない企業側の事情もあるのです。

WEBテストの替え玉受験はアリ?

WEBテストは本人確認がないため、友達と一緒に受験したり、替え玉受験をしたり、場合によっては受験代行のビジネスまで出来てしまっているのが現状です。
このような替え玉受験はアリなのでしょうか?

結論から言うと、このような不正はやめておいたほうが良いでしょう。

というのも、企業によってはWEBテストの選考の後、実際の筆記試験でも同様の試験を課す場合があります
実際の筆記試験では替え玉受験はできませんので、あきらかにWEBテストとの乖離があった場合、替え玉受験を疑われてしまいます。

また、このような採用時の試験の結果は採用選考だけでなく、採用後の配属・評価にも使われる場合があり、入社後もあなたの個人情報とともに保管され続ける資料となります。(もちろん、その会社に入社しなかった場合は一定期間の後破棄されます)

無事採用され安心した後に「あの時、実は…」とうっかり不正のことを話してしまうとマイナスの評価になりかねません。

たかがWEBテストですが、あなたの実力で乗り越えるようにしましょう。

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