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ESを書くときに意識する6つの文章作成術

就活を進める上での第一関門になるのが企業のエントリーシート。
しっかり考えて書いたつもりでも採用担当者にとっては伝わりにくいESとなっていることが多い。
今回の注意すべきは、以下の2点。

【1】「聞かれていることについて正しく答える(企業が何を聞きたがっているのかを理解する)」
【2】「論理の飛躍がないか(文章のわかり易さ、地頭力のアピールにつながる)」

では具体的に書き方について触れていく。 ESを書いていく手順は以下のとおり。

エントリーシートを書くときに意識する6つの注意点

1. 設問を読んで何を聞かれているのか把握する

設問で聞こうとしている事についてしっかり答える。 「体験」なのか「理由」なのか「願望」なのか。

聞かれていることについては過不足なく答える。
当たり前のように思えるかもしれませんが、書いているうちに論旨が変わってしまい、的はずれなESを書いてしまうことがよくあります。
書き始める前にしっかり確認しておきましょう。

例えば、

「あなたがこれまでに最も達成感を感じた出来事とその理由は何ですか?(ブーズ・アンド・カンパニー)」

と聞かれた場合「達成感を感じた出来事」と「それが1番達成感を感じた理由」について書く必要があります。

論旨がズレやすい(設問の中に聞きたいことが複数個ある)設問例:

「これまであなたが、最も力を入れて取り組んできたことを簡潔に記入してください。また苦労した点と、どのようにしてそれを乗り越えたか、また創意工夫した点を記入してください。(UFJ信託)」

「これまであなたが他人に対してもっとも自分の意見を強く主張した経験とその理由および結果について記入してください。(UFJ信託)」

「あなたが過去にチャレンジしたことの中で直面した最大の困難は何ですか? また、それに対してあなたが何を考え、どう対処したか、その経験が今どのように活かされているかについて記述してください。(三井物産)」

 

さらに慣れてきたら、ES全体の中で「この設問がどういう位置づけなのか?」「人事が何を知りたがっているのか?」について人事目線で考えられるとよい。

2. 初めの文で質問に答える

聞かれていることに簡潔に結論を一言で答える。出来れば複文(S+Vの関係が複数ある文章)ではなく単文(S+Vの関係が1つのみの文章)で書けるようにしよう。
あっさりとした文章に感じるかもしれないが、ビジネスマンから見るとそちらの方がスマートに見える。

というのも、ESを読む際は頭のなかに学生の伝えたいことを想定しながら読むため、結論が始めに書いてあるほうが、今後何について語るのかが理解しやすく、読みやすいESとなる。

ありがちな例としては、回答の背景から書いてしまう場合がある。こちらの場合は注意して読み込まないと何が言いたいのかわからない。余裕があればしっかりと読み込むが、時間が限られている場合は読まれもせず、ご縁がなくなる可能性がある。

まず1文目を注意して書いていこう。

例:

設問:将来成し遂げたいことは何ですか?

間違い例「私は学生時代に○○の経験を積み、××について気づきを得たため、今後キャリアにおいて△△をしていきたいと思う」

望ましい例「私のやりたいことは△△です。何故それを成し遂げたいかというと、私は学生時代に○○の経験を積み、××について気づきを得たからです。」

3. 文章の構成を考え、段落ごとのアウトラインを書く

問われている質問の種類によって変わってくる。
後で肉付けしていく際に論旨が変わらないように何を書くかのストーリーを立てる。

4. 全体のロジックが通っているか確認

論理の飛躍がないかどうかを確認する。 飛躍があると読んでいるうちに違和感を感じ結果的に読みにくいor説得力のないESになってしまう。

例えば、志望動機をアピールする場合、論理展開として

A:「三菱重工に入社する」
B:「ものづくり、研究の知識が生かせる、社会貢献ができる」

だとする。この際、AならばBは正しいといえる。

しかし、その逆のBならばAが言えるか、つまり何故「ものづくり、研究の知識が生かせる、社会貢献ができる」から「三菱重工を選ぶ」のかを言えないと説得力がでてこない。
よくある、なんでトヨタやソニー、IHIや川崎重工ではダメなのかという話。

他の例:「サークルの新歓で会員を増やすことができた」

この場合、構成は以下のようになると考えられる。 「(目標)α:会員を増やす」ために「(課題)A:知名度の向上、B:他団体との差別化」だと考え、「(打ち手)a-1:効率的な告知手段,a-2:…,b-1:…b-2:…」を行い「(結果)〇〇倍に増やすことができた」

この際、課題A,Bが目標達成αの為のボトルネックになっているか(A、Bをクリアしたらαを達成できるか)、 打ち手a-1,a-2がAをクリアするための手段になっているかを客観的にみる。
きちんと言えなければ情報が抜けているので書き足し、余分な情報が入っていれば蛇足であるので削る。

5. 各段落を埋めていく

(指定文字数の1.2倍位を目安に)過去のESで使える所があればコピペ→修正
※過去の自分のESを引っ張ってくるのはこの段階になってからにしよう!

何故なら、これ以前の段階で引用してしまうと引用した内容にES全体がつられてしまい論旨が変わってきてしまうことがある。
例えば「問題解決をした経験」を問われていてサークルの新歓活動について記述する際に、同じトピックだからといきなり過去の「学生時代に頑張ったこと」で書いた新歓活動の内容を引っ張ってくると無意識に主張したいポイントが変わってしまうことも。

6. 文字数オーバーの分を削って言葉の使い方とか推敲

わかりやすく綺麗に。

  • 要素を挙げるときは「3つあり、1つ目に~、2つ目に~、3つ目に~」のような書き方ができているか
  • 自分たちのコミュニティーにしか通用しないローカルな単語を使ってないか
  • 実感値なのかファクトに基づいたものなのかの区別

など。

以上。ある程度の学歴があればESで落とされることはないが、面接対策の為に自分の実績・思考を文章に落とす作業は必要であるので、今のうちにしっかりと書いておくと就活の後半で効いてくるので手を抜かないように。

学生時代に頑張ったことについてはこちらから
「学生時代に頑張ったこと」で差をつける6ステップ 

実際のESを元にしたES解説については下記のページをご参照ください。
三菱商事のエントリーシートの分析と解説
NRI(野村総合研究所)のESの書き方例と対策解説
MRI(三菱総合研究所)のESの書き方例と対策解説
伊藤忠商事のエントリーシートの分析と解説

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