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「学生時代に頑張ったこと」で差をつける6ステップ

どの企業でも聞かれる学生時代に頑張ったこと。でも、「どうアピールしたらよいかわからない」「他の就活生の間で自分のエピソードが埋もれてしまう」「頑張っているのに面接官に評価されない」…そんな方も多いのではないでしょうか?

これらの原因として、「面接官の知りたい情報を、わかりやすく伝えられていないこと」が挙げられます。
面接官が「学生時代に頑張ったこと」で聞きたいポイントはほとんど決まっているので、これらをおさえた上で伝えていけば効果的な自己PRが可能になります。

そこで今回は、エピソードを伝える6つのステップと他の就活生と差別化するテクニック、「サークル活動・部活」「バイト・インターン」「研究・勉強」「その他」「学生時代に頑張ったことがない人」のパターン別攻略法についてご紹介します。

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「頑張ったこと」を伝える6ステップ

ES、面接では次の6つの要素を順番に伝えていきましょう。
ポイントは「(面接官が知りたい)具体性」と「わかりやすさ」です。文字数、制限時間にあわせて、それぞれの重要度に合わせてウエイトを置いて話していくと良いでしょう。

1.何に取り組んで、その結果どうなったか(重要度 ★★★★)

ビジネスの世界では結論から話すことがマナーの一つです。
どんなこと取り組んだのかとその結果・成果について一言で伝えましょう。

例: テニスサークルの新歓責任者として取り組み、前年比で150%の新規入会者を獲得することができました。

2.なぜ取り組んだのか(重要度 ★)

そのエピソードについてあなたと同じ状況にいる人が、みな同じ行動を起こす訳ではありません。
どんな問題に課題意識を感じ、解決していったのか(課題感、使命感など)を伝えることで、あなたの人間性を垣間見ることができます。
※ただし、これを伝え始めると長くなってしまうので、文字数の限られているES(2~300文字以下)などでは省略してもよいでしょう。

 3.何をゴールに設定していたか(重要度 ★★★)

問題の解決方法は、何をゴール・目標・理想におくかによって変わります。
後に述べる課題や解決法が妥当なものかどうかを判断する上で必要になります。

4.目標を達成する上での課題(重要度 ★★★)

そのゴールを達成する上でクリアしなければいけないと考えた課題について述べましょう。

ここで重要なのはいくつも課題を列挙するのではなく、問題解決のボトルネックになっているものを中心に話していくことです
そのメリットは3つあります。

① 地頭のよさを伝えられること

問題を分析し、何が課題になっているのかを判断して目標達成に向かうこのプロセスは問題解決のプロセスでもあります。
ケース問題やフェルミ推定のような小手先のテクニックではなく、実際の活動において自身が問題解決の手法を取り入れていることをアピールすることができます。

② 本気度が伝えられること

目標達成に向けてもちろんガムシャラに努力した話も良いのですが、課題解決に向けて考え抜いたことでも自身の熱意や本気度を伝える事ができます。

③ 相手が理解しやすいこと

面接において重要なことは「情報を発信すること」ではなく、「相手に評価してもらうこと」です。
長々と情報提供しても面接官に理解されなければ意味がありません。

目標達成に向けて様々取り組んだと思いますが、相手が理解しやすい様に多くても3つの課題に絞り、そして具体的な取り組みについて最も重要な課題について語ると良いでしょう。

伝え方例:
〇〇の達成には課題が3つあり、「▲▲」、「××」、「□□」がありました。
そのなかでも一番重要な▲▲に重点を於いて対策を行いました。

5.達成のために課題をどう解決したか(重要度 ★★)

4.で述べた課題を解決するためにどんな手段をとったのか具体的に伝えていきましょう。
具体的な工夫や苦労した点なども合わせて伝えていくことで説得力が高まりますし、面接官も次の質問をしやすくなります。

6.得られた成果とその評価(重要度 ★)

これまでの取り組みでどの様な成果が得られたのか、およびその評価について説明しましょう。
面接官はみなさんと共に活動していたわけではないので、その成果がどうすごいのか常に正しい判断ができるわけではありません。
そこで面接官がみなさんの取り組みの成果を判断しやすいようにサポートしてあげましょう。

その他

ESや面接の質問に+αで求められているものがあれば適宜伝えていきましょう。

これまでの学生生活の中で挙げた実績や経験の中で最後までやり遂げ、達成感を得た経験について教えてください。
(三菱商事 15卒 本採用ES)

今までの人生の中で取り組んだ一番難しい課題について教えて下さい。また、その課題にどのように対峙し、どのように乗り越えたかについて、具体的に説明して下さい。
(三井物産 15卒 本採用ES)

あなたがこれまでこだわりを持って取り組んできたこと、もしくは挑戦してきたことについて教えてください。その取り組みにより得られた気付きや自身への影響についても具体的に教えてください。
(野村総合研究所 15卒 インターン) 

あなたが学⽣時代に⼒を⼊れて取り組んだこと、また、そこから得たことについて教えて下さい。(400 ⽂字以内)
(大和総研 15卒 本採用ES)

就活本や就活サイトによっては「そこから得られた学び」も記載すべきとされていますが、私個人としては設問で問われていない限り記述する必要はないと思います。
というのも、学生自身による振り返り・学びは2次的な情報で信頼性高くない可能性があり、必要とするかどうかは企業によって異なるからです。

「頑張ったこと」を伝える際に意識すること

より具体的に伝える

企業は表面的な「成果」や「スキル・能力」だけでなく、その人の「行動特性」や「思考の傾向」などを評価することが多くなっています。
というのも、「大会で優勝した」「TOEICで900点を取った」という成果は偶然の産物かもしれないので、本当にその成果に結びつく行動特性を持っているかどうかを評価しようとします。

では、どうやってその行動特性を評価するかというと、より具体的に皆さんがどの様な状況に置かれていて、何を考え、どんな行動をとったのかをファクトベースで確認していくのです。
そのため、「あなたのおかれた状況」「思考したこと」「どんな解決方法を取ったのか」を伝えていくと、企業側はよりあなたを理解することができ魅力をアピールすることにつながるでしょう

詳しくは下記の記事もチェックしてみてください。

学生時代に頑張ったことで人事は何を評価しているか
就職活動を通して必ず聞かれる「学生時代に頑張ったこと」。皆さんのESや面接でのエピソードから企業は何を評価しようとしているのでしょうか?コンピテンシーに基づく面接についてご紹介します。

わかりやすく伝える

どんなに素晴らしい経験を持っていたとしても、それを相手に伝え、理解してもらえなければ意味がありません。

その際に気をつけなければならないのが、就活でのコミュニケーションには、制約があるということです。
普段の生活ではわかりやすく伝えることに注意しなくても、じっくり相手がわかるまでコミュニケーションをすることができますが、ESや面接では限られた文字数・時間などの制約の中で自身をアピールしていく必要があります。

一般的にいわれている「結論から端的に伝えること」をはじめ、伝えたいことを整理し理解しやすいように話を組み立てることで、わかりやすさが向上します
これができるようになるには論理的思考力を高めるのがおすすめです。

就活生のためのロジカルシンキング講座:基礎編~論理的思考力とは?
論理的思考力(ロジカルシンキング)についてご紹介。就活(ES、面接)においても今後のビジネスの場面でも必要とされるスキルですが、論理的思考力の本質を理解している方は少数です。今回は入門編としてロジカルシンキングの全体像をご紹介します。

パターン別 学生時代に頑張ったことの伝え方

学生時代に頑張ったことのトピックスとしては下記のものが挙げられます。

サークル・部活動

勝ちにこだわる(1位を目指す)、リーダーとして成果を残す、プレーヤーとして成果を残す、組織運営(強化・効率化)、新歓活動、学園祭での販売、団体立ち上げ、企画、広報、営業(協賛)、人材マネジメント、中学・高校での部活の成果…、など

【部活・サークル編】学生時代に頑張ったことの伝え方徹底解説
「学生時代に頑張ったこと」として、部活・サークルをテーマに伝える際の注意点とテクニックをご紹介。部活・サークルでの取り組みには自信がある方も多いと思いますが、同じようなテーマを話す就活生の人数も多くなってしまうため、他の就活生と差別化する必要あり
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「学生時代に頑張ったこと」として、部活・サークルをテーマに伝える際の記入例をご紹介。各企業の内定者、インターン参加者のESの書き方を知ることでESをレベルアップさせましょう。

アルバイト・起業

家庭教師・塾講師、接客業、営業バイト、長期インターン、企画(新商品、新しい集客手法の確立)、業務効率化、起業…、など

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「学生時代に頑張ったこと」として、アルバイト・ビジネスをテーマに伝える際の注意点とテクニックをご紹介。バイトの経験は実際のビジネスに近く伝えやすい反面、同じようなエピソードを話す就活生も多く存在しますので、アピールの仕方を工夫する必要があり
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研究・勉強

研究(理系院生)、ゼミ活動、留学、院試・編入・転学部、資格取得…、など

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「学生時代に頑張ったこと」として、研究・ゼミをテーマに伝える際の記入例をご紹介。各企業の内定者、インターン参加者のESの書き方を知ることでESをレベルアップさせましょう。

その他

海外旅行・バックパックでの旅、読書…、など

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学生時代に頑張ったことのない人

こちらの記事を参考にしてみてください。

学生時代に頑張ったことがない人のための対処法
ESや面接で必ず聞かれるのが「学生時代に頑張ったこと」。しかし、就活生の全員が人に誇れるような経験をしている訳ではありません。そんなあなたのために、3ヶ月でエピソードをつくるためのポイントと対策をご紹介。

他の就活生と差別化するために

上記の6ステップを踏まえて伝えるだけでも面接官の聞きたいことをわかりやすく伝えることができますが、他の就活生よりも一歩先を行くために次の3つのテクニックがあります。

1.定量的(数字を使って)に伝える

一般的に就活をしている学生は40万人程度と言われ、その中で如何に自分が他の就活生よりも優れているかをアピールしていく必要があります。
では、どのようにすごいと思ってもらうかというと、定量的に語ることです。

例えば、「すごく苦労した」「大きな成果が出た」といわれても、どのようにスゴイのかがイメージできませんね。
具体的に数値に落としながら伝えていくことで、あなたの取り組みの場面にいなかった面接官にも具体的なイメージを伝えることができます

では、どのように定量的に表現していくべきか。方法は「競合比較での評価」と「経年での評価」の2つ。
競合比較での評価は「〇〇人中▲▲位をとった」などのように、現在のライバルと比較する方法、
経年での評価は、「これまで〇〇位だったけれども、今年は▲▲位になれた」など、過去の先輩や自チームと比較する方法です。

2. ビジネスの場面を想定しながら伝える

これは今取り組んでいる活動をビジネスの場面に置き換えるということです。
というのも、大抵の活動はビジネスに似ている点が多くあり、これらは数多くの学者やビジネスマンによって解決法が体系的にまとめられています。(例えば新歓活動は営業・採用に近い要素がありますし、学園祭での出店はマーケティングの要素を含んでいます)

したがって、我流でこれまでの活動を整理するのではなく、既に整理されているビジネスの理論を使うことで、面接官の納得感や理解度を高めることができます。
※あくまでも知らない体で伝えることがおすすめです。ビジネス知識を知っているアピールをすると逆に返り討ちに合う可能性が高いです。

3.自分の強みを意識した上でエピソード伝える

企業側からみた採用のゴールは企業価値を高めてくれる人材を獲得することです。
「学生時代に頑張ったこと」のエピソードからビジネスで活躍してくれそうかを判断しています。(詳しくは『人事は学生時代に頑張ったことで何を評価しているか』参照)
したがって、単に学生時代の思い出を語るのではなく、あなたがどんな力・強みを持っているのかがエピソードの中からわかるよう意識するとよいでしょう。

その際、直接的に「私の〇〇の強みが発揮されました!」と直接的に伝えるのではなく、その強みが発揮された具体的な場面・エピソードを伝えるようにしていくとよいでしょう。
何故なら、自分の強みはいくらでも盛って話すことができるので、面接官側としては「自身の強みの自己申告」を当てにしていません
具体的な行動や状況から自分の強みがアピールできるとより説得力が増します。

自身の強みの考え方はこちらから

自分探し厳禁!自分の強みを見つける方法
ESや面接で聞かれる「自身の強み」について企業・人事の立場に立ってどのようにアピールしていけばよいのか。自己分析などの自分探しの旅に出ずに自信の魅力について伝える方法をご紹介。

【補足】頑張ったことの嘘はバレるのか?

なんとか自分の魅力を伝えようと嘘をつく(もしくは話を盛って伝える)方もいらっしゃいますが、面接ではまずバレるので避けておきましょう
人事は年間数百人の学生さんと面接でコミュニケーションを取るので、そのやりとりの中から嘘っぽいかどうかはおおよそ判断がつきます。(部活の大会成績などはネットなどに掲載されていることもあるので、いくらでも調べられます)

そして、嘘がバレたときに一番評価が下がります
実力が「100」の人が話を盛って「120」のことを伝えたとしても、その嘘がバレてしまうと「40」くらいの評価にまで下がってしまうようなイメージです。
ビジネスは信頼が重要ですので誠実に、そしてみなさんの魅力が伝わるよう話していきましょう。

 

ESでの 「頑張ったこと」の伝え方

エントリシートの場合、制限文字数によって、どの内容をどこまで伝えるかが変わってきます。
そこで制限文字数別におおよその文章の構成例をご紹介していきたいと思います。

300文字

300字程度あれば具体的内容についても語ることができます。
構成の例は下記の通り。

・取り組んでいるトピックス(及びそこで得た成果):50~75字
・行動の動機と目標:75字
・具体的取り組み内容:150字
・結論:25字

記入例

私は○○に所属し、※※について取り組んでいます。
何故なら、××という理由から△△を達成することが求められていました。
そこで私は~~(具体論)~~することで、□□という成果を残すことが出来ました。

800文字

800文字あるとひと通り必要な要素について記述することができます。

記入例

私は○○について取り組み××という結果を残してきました。
(取り組みに関して簡潔に記載)

私の所属する○○においては□~□などの理由から△△が問題となっていました。
(問題の背景について記載)

そこで私は△△という目標をたて、その実現に向けて挑戦しました。
(目標、理想とする状態について記載。問題に対する自分のこだわり、熱意なども含めて書くとよい)

目標を達成する上での課題としては3つあり、※※、※※、※※でありました。
(目標に向けてのボトルネックについて記載する)

それぞれの課題について私は□~□、□~□、□~□、することで△△を叶えることができました。
(具体的な解決策、自身の工夫点について記載)

上記の取り組みにより□□という結果を残す事が出来ました

面接での「頑張ったこと」の伝え方

面接での伝え方のポイントは3つ、「1分程度で伝えること」「相手のリアクションを見ながら説明量を調整すること」「重要な要素について強調して伝えること」です。

1分程度で伝える

人の集中力は長く続きません。特に、話の長さが1分を超えてしまうと大抵の人は右から左に聞き流してしまいます。どんなに熱意を持って伝えても聞き手に受け取ってもらえなければ意味がありません。簡潔にわかりやすく伝えるのが原則です。

相手のリアクションを見ながら説明量を調整すること

面接はESと異なり、リアルタイムで相手の反応を知ることができます。簡潔な説明をしながら、相手の理解が追いついていないようであれば適宜補足の説明をするなどして説明量を調整するようにしましょう。はじめからダラダラと冗長な説明をするのはNGです。

重要な要素について強調して繰り返し伝えること

会話の中の情報は文字情報とことなり、聞き流してしまうことが多くあります。そのため、エピソードの中で重要な要素については繰り返し強調して伝えることで、相手の記憶に残すことができます。

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