キャリアを考える人のための就職情報ナビ

『「創刊男」の仕事術』 くらたまなぶ

「とらばーゆ」「フロム・エー」「エイビーロード」「じゃらん」などリクルートの代表的な雑誌の創刊をしてきた、 くらたさんが執筆した本。
新規事業の開発から実行まで彼独自の手法や体験が書かれている。

新規事業開発系のインターンが増えてきているので、どのように事業を創っていくのかを知っておくとインターンでの活躍の場も広がる。

書籍中に「誰でもできる起業マニュアル」という1ページほどのまとめがあるが、これがとても参考になるのでこのページだけでも読んでおいてほしい。

===================================
事業を実現するためには、①ロマン、②ソロバンの2つのフェーズがある。
各フェーズの内容は以下の通りであり、開発から起業をする場合は1→8へ
起業後に事業を見直す場合は8→1へと考えていく。

【ロマン】
1夢 2誰(ターゲット) 3何(サービス内容) 4カタチ
【ソロバン】
5カタチ 6時空 7ヒト 8カネ
===================================

ロマンのフェーズではカッコイイ大風呂敷を広げること、ソロバンのフェーズでは地道な一歩が大切である。

また、アイデアの種を集めるヒアリングの方法に彼の個性が溢れていて、ファクトを押さえる為の調査の定義も印象的だった。
・ 市場調査:昨日までの「人の行動」を数値で知ること
・ マーケティング:明日からの「人の気持ち」を言葉で知ること

新規事業に興味がある人、ベンチャー企業などの事業立案のインターンに参加する予定の人は読んでおいて損はない1冊。

ただし、リクルートの江副モデル(クライアントニーズを徹底的に聞き、ユーザーとのマッチングを図るもの)が原型としてあるので、すべての事業開発がこのやり方で立ち上げられるとは限らない。

また、くらたさんの実体験がベースとなっているので、マーケティングの理論が書かれた本と合わせて読み理解を深めることをおすすめする。

この記事を読んだ人がよく見ています

2016/03/02 オススメ就活本レビュー

同じカテゴリの記事

『企業が「帝国化」する アップル、マクドナルド、エクソン~新しい統治者たちの素顔』 松井博

元アップルのシニアディレクターの著者が巨大ビジネスを創った企業群について切り込む。 目次 第1章 アップルはどうやって帝国化したのか 第2章 帝国の仕組み 第3章 帝国で働く人々 第4章 食を司る帝国たち 第…

『新・現代総合商社論』 三菱商事株式会社

早稲田大学での三菱商事による寄付講座を本にまとめたもの。 本書は『現代総合商社論』の続編となり、各事業部の部長クラスの責任者が講演をしており、内容としても貴重なもので、商社のビジネスについて深く知れる一冊。 【目次】 …

no image

『F1 戦略の方程式』 浜島 裕英

ブリヂストンでF1を支えた浜島さんの本。05年に出た本よりも刺さるものが沢山あった。チームの組織論からタイヤの技術面・選手毎のラップの比較までF1ファンなら一気に読みきれる内容。 技術面の難しい内容をたとえを使いながら…

『コンピテンシー面接マニュアル』 川上真史

本書は就活生向けの面接対策本ではなく、企業の面接官・人事担当者向けの面接マニュアル。 企業の面接官が何を考えて質問をしているのか、その面接で学生の何を見ようとしているのかが非常によく分かる。 コンピテンシーと…

no image

『グロービスMBAマネジメント・ブック』

就活をしていく上で、将来経営に携わりたいと考えている人は多いが、 どんな力が必要なのかわからない、経営者ってどんなことをする人なのかわからない、 そう思う人も少なくないのではないでしょうか。 本書は、経営戦略、…