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『経営組織』 金井壽宏

神戸大学大学院経営学研究科教授の金井先生の著書。
内容は2/3が組織行動学、1/3が人的資源管理について書かれている。

新書なので読みやすい分量で組織についての今までの研究、考え方が書かれているため、就活生の皆さんも企業が組織についてどう考えているかを知るための良書です。

以下、私が気になった点

①「研修などで各グループに名前を付けるだけで、その一団への愛着が強まり他グループへの対抗意識が生まれる」
確かにグループに自分達で名前を付けたインターンは対抗意識が強くなるように感じた。
グループの名前を考えるといった無意味に思えるワークも背景にはこのような意図がある。

②それぞれの組織間における人生観。

社会人に「個人と組織の間を二つの円で表す」ように指示すると組織の円の中に自分の円が内包される図を描く。
一方大学生に同じ指示をすると、逆(自分の中に大学、バイトなどが内包される)になる。
→組織の中で受身的に動かず、能動的に組織を活用するように。

③仕事人間と会社人間の違い。
自分の仕事に魅力を感じる仕事人間は仕事だけでなく、家庭や社会生活でも充実感を感じ、それらの活動を犠牲にしない。一方会社人間は会社に「とらわれの身」と感じ、仕事もその他の活動も充実度は低い。

④組織の集団凝縮性
組織の集団凝縮性(まとまり)は、個人の業績の分散を減少させる物であるため、集団の目標が高ければ集団の業績は高くなるが、低いと全員がそれに甘んじてしまう。

⑤変化の意識
組織が変わるには、それを構成している個人が変わる必要がある。そして、個人は変化の始まりを意識しがちだが、重要なのは今まで慣れ親しんだ物に別れること。それが上手くいかないと前に進めない。
就活をする上で、人事の心理を知ることは面接などで非常に有効だと考えています。
今までの自分のマネジメント経験の中で、ビジネスマンはどのように対処しているのか、自分の行った解決策は社会人から見てどのように映るのかなど、社会人の視点が得られる。

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