【基本から応用まで】リクルートスーツの着こなしルールまとめ
就活生の誰もが必要となるスーツ。そして意外と知られていないのがその着こなし方。
スーツが加点要素になることはほとんどありませんが、減点要素になることは起こりえます。
そして、その減点要素になるのは、悪い・安いスーツをきていることではなく、「着こなし方・お手入れができていないこと」が多く見受けられます。
是非今一度就活の身だしなみをチェックしてみよう。
リクルートスーツの選び方
ポイントは値段ではなく、スーツのサイズがあなたの身体に合っているかどうか。
詳細はこちらをチェック:
スーツの着こなし方
1.ワイシャツ・ジャケットの長さ
袖の長さは、シャツがジャケットの袖口から1~1.5cm程出ている状態、襟も同様に1.5~2.0cm程出ている状態がベスト。
ほんの僅かですが、シャツの袖が見えないとスーツが大きく見えてだらしなくなってしまいます。
逆に袖が見え過ぎるとスーツが小さく窮屈そうに見えます。
ジャケットが大きい場合は、購入したお店や洋服のサイズ直しをしてもらえるお店(クリーニング店などでも対応してもらえます)で袖を短くしてもらいましょう。
値段は大体3,000~4,000円程度が一般的です。
2.ワイシャツのアイロンがけ
毎回クリーニングに出せれば良いのですが、金銭的な問題もあり難しいことも。
アイロンのかけ方はこちらから:
そんな時も、前身頃(特に肩から胸にかけて)+襟+袖の3箇所はアイロンのスプレーのりをかけて、しっかりアイロンがけしておきましょう。
この3箇所がパリっとしているだけで、見た目が大きく異なります(手入れがしてあり、身だしなみ気を使って清潔感のある印象を与えます)。
3.革靴のお手入れ
革靴は長く履いていると砂埃や汗で汚れがたまります。
出先でどうしても汚れてしまった場合は、革靴のつま先の部分だけでもティッシュなどで磨いておきましょう。
ここが輝いていると多少汚れていても靴全体がキレイに見えます。
毎回のお手入れの仕方はこちらから:
4.ジャケットの一番下のボタンを外す
スーツを着る機会が少ない方に多いのが、ジャケットのすべてのボタンを留めてしまっている方。意外と多いです。
ジャケットはボタンの数に関係なく、一番下のボタンはあけておきます。
したがって、2つボタンの場合は1つだけ、3つボタンの場合は上2つを留めることになります。
(3つボタンは一番上のボタンがジャケットの折り返しに隠れる「段返り3つボタン」の場合があります。
この場合は一番目のボタンは留めず、2番目のボタンのみ留めるようにします。)
5.ポケットにものを入れない
スーツを着た時のスタイルを保つため、ポケットには基本的に何も入れないのが一般的です。
ポケットに入れても問題ないものとしては、下記のようなものが挙げられます。
・ハンカチ(ジャケット外側の両ポケット)
・名刺ケース(内側胸ポケット)
・ペン(内側胸ポケット)
ジャケットの外側の胸ポケットにペンを挿している方がたまにいますが、内ポケットに入れるようにしましょう。
(胸ポケットはポケットチーフを入れるためのものです)
また、スマートフォンくらいであれば型は崩れませんが、お財布などは厚みも重さもあるため、ポケットには入れずにカバンに入れておくようにしましょう。(ズボンに入れるのも形が崩れるのでNG)
6.コートは建物入口で脱ぐ
冬場はコートを着る機会も多くなるでしょう。
コートは建物入口で脱ぎ、たたんで腕にかけて建物内に入ります。
というのもコートは外の埃が付いているため、建物内で脱着するのはマナー違反です。
また、コートを着る際も建物入口近くで着るようにしましょう。
面接が終わって気が抜けて、会議室・会社内でコートを着てしまう人がいるので要注意!(大多数の人がやってしまいます。)
7.靴とベルトの色をそろえる
スーツは基本的に靴とベルトの色をそろえるようにします。
就活では黒の革靴を買うことが多いので、ベルトも黒にしておくと良いでしょう。
8.ネクタイのディンプルと長さ
ネクタイを結ぶときに結び目の下にできるくぼみをディンプルといい、これを作るのが基本となります。
ディンプルができているとネクタイに立体感があり、上品に見せることができます。
セミウィンザーノットで結ぶとディンプルを作りやすいので時間のあるときに練習しておくとよいでしょう。
また、ネクタイの長さはベルトのバックルにかかるかかからないかくらいの長さが適切です。
長すぎると面接で座った時にジャケットからネクタイの下端が出すぎて不格好になってしまいます。
ネクタイの結び方についてはこちらの記事を御覧ください:
9.(超基礎編)ワイシャツの下にはTシャツを着る
ごくごく基本的なことですが、ワイシャツの下には白の無地のTシャツを着ましょう。
柄モノはシャツから透けるのでNGなのはもちろん、黒やタンクトップも避けましょう。
シャツを着ないのも不潔なのでNGです。
社会人になると白のシャツは必ず必要になるので今のうちに買っておきましょう。
10.(超基礎編)靴下
就活時は革靴を履きますので、必ず黒もしくは紺の靴下を履きましょう。
くるぶしソックスは座った時に足首が見えてしまうのでNGです。
11.(応用編)座っている時のジャケットボタンの開閉
こちらは意見が別れるところですが、本来のジャケットの着方は、立っている時にボタンを留め、座っているときはすべてのボタンを外すようになっています。
慣れると様になって見えますが、就活において座っているときにボタンを外すと「生意気」「リラックスしすぎている」ように見られてしまう可能性があり、閉めたままにしておくのが無難と言われています。
ボタンの着脱をしたい場合、インターンなどで仲良くなった社員さんとのランチなど距離感の近い時には外すとよいでしょう。
(初めての面接など相手との心理的距離感が遠い時は留めたままの方が無難です)
12.(応用編)ジャケットのフラップ
ジャケットの蓋のような部分をフラップといい、本来は埃や泥、雨などを防ぐために作られたものです。
したがって、屋外ではフラップは外に出し、屋内ではフラップをしまうのがマナーとされています。
(屋内でフラップが出ていると「このオフィス埃っぽいですよ」という意味になってしまいます。)
ただし、フラップの由来を知っている人も少ないので、しまったままにしておくのが無難でしょう。
片方だけ出ていたり、中途半端に出ている場合があるので、それだけは気をつけましょう。
(トイレでハンカチを出した時にフラップが出てしまうことがよくあります。)
番外編:カラーコーディネート
色にはそこから連想されるイメージがそれぞれ存在します。
その特徴を知ることで自分をどのように見せたいかをコントロールすることができます。
黒系
よくあるリクルートスーツの色です。
無難ですが、ありがちな就活生になってしまう可能性も。
ポジティブイメージ: 高級、自信、威厳、フォーマル、スタイリッシュ
ネガティブイメージ: 絶望、孤独、暗い
グレー系
灰色は他の色との協調性が高いため、持っているシャツやネクタイにも馴染みやすいでしょう。
就活で選ぶときは少し暗い目のグレーを選ぶとよいでしょう。
ポジティブイメージ: 落ち着き、誠実、
ネガティブイメージ: 曖昧、無気力、憂鬱、地味
ネイビー系
ネイビー系のスーツは相手に知性的で信頼感のあるイメージを与えるため、金融機関などで好まれます。
あまり明るい色にすると浮いてしまうので、こちらも濃い目のネイビーにしておいたほうが無難です。
ポジティブイメージ: 知的、信頼、開放感、上品さ
ネガティブイメージ: 不安、冷酷、悲しみ、寂しさ
その他カラー
赤
ネクタイなどでよく使われる色ですね。
ポジティブイメージ: 勇気、積極的、情熱、
ネガティブイメージ: 危険、緊張、怒り
青
知的さを与えるため、こちらもよく使われる色。
ネクタイだけでなく、薄い青系のシャツを着ても良いかもしれません。
ポジティブイメージ: 知的、信頼、開放感、上品さ
ネガティブイメージ: 不安、冷酷、悲しみ、寂しさ
黄・橙
原色のままだと奇抜になってしまうので明度or彩度を工夫して使うとよいでしょう。
ポジティブイメージ: 自由さ、明るさ、元気、幸福
ネガティブイメージ: わがまま、軽率、八方美人
緑
ダークグリーンのソリッドタイ(無地のネクタイ)などで使うと良いでしょう。
GDやグループワークの際にメンバー間の協調性、安心感につながるかもしれません。
ポジティブイメージ: おだやかさ、新鮮、癒し、安定
ネガティブイメージ: 保守的、未熟、受動的ピンク
ピンク
女性はけにシャツの色を薄いピンクにすると良いかもしれません。
ポジティブイメージ: 優しい、愛情、あたたかみ、若い
ネガティブイメージ: 幼い、妖しい、不安定、弱いグレー
コーディネート例
これらの色をグレーのスーツに合わせたものが下図になります。
同じスーツですが、ネクタイの色で印象が大きく異ることがわかると思います。
どんなイメージを与えたいかを考えながらスーツ、シャツ、ネクタイの色を選ぶとよいでしょう。
違和感のあるコーディネート例
スーツの色の合わせ方は人の好みが重要ですが、セオリーとして違和感のある組み合わせもあるので紹介しておきます。
派手なストライプは避ける
ストライプの入ったスーツはスタイリッシュに細身に見える視覚効果があります。
就活の際はスーツにストライプが入っていても問題ありませんが、左のようにストライプがキツいと派手な印象を与えてしまいます。
右のようにスーツの地の色に近いストライプもしくは、同色で織る方向を変えたシャドーストライプなどが適しています。
無彩色だけの組み合わせはしない
黒系、グレー系のスーツは彩度(色み)がありませんので、同じ色で揃えてしまうとお葬式のような暗い印象を与えてしまいます。
ネクタイやシャツの色を変えるなどしてアクセントカラーを入れましょう。
色み・柄を増やし過ぎない
左の例は色がごちゃごちゃしていて落ち着きがありません。
一般的に組み合わせには下記のルールがあります。
・柄のアイテムは2つまでに留める(スーツ、シャツ、ネクタイ全てにストライプはNG)
・柄と柄を組み合わせるときは色を合わせる
・色は3色以内におさめる
色の濃さの順番
スーツ、シャツ、ネクタイを同系色でまとめると落ち着き感があります。
ただし、色の濃さは「スーツ>ネクタイ>シャツ」の順にしましょう。
左の例は違和感があります。
さいごに
いかがでしょうか?
スーツの着こなしは相手を不快にさせないマナーですので、1~10まではできるようにしておきましょう。
もっとスーツについて知りたい方は下記の本がオススメです。
社会人になってからもスーツを着る機会は多くありますので、是非就活の時期からスーツの着こなし方をマスターしていきましょう。
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