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キャリアを考える3つのステップ~Want,Can,Mustをおさえる

会社説明会やセミナー・面接で多くの学生のみなさんと接するのですが、「将来何がしたいのかわからない」そんな声を多く聞きます。今までビジネスに関わったことがない皆さんが、いきなり「将来成し遂げたいこと」や「どう会社に貢献したいのか」を問われても戸惑ってしまうのも無理はありません。

今回は、そんなみなさんに向けて、キャリアについてどのように考えていけば良いのか、キャリアを考えるための3つのステップについてご紹介したいと思います。

 

キャリアを考えるための3つの要素

キャリアを考える上で、「自分のやりたいこと(Want)」「自分のできること(Can)」「社会から求められていること(Must)」3つの要素は切っても切れない関係にあります。

例えば、「どんなに社会から求められていること」で「自分ができること」だとしても、自分がやりたいことでなければ長続きしませんし、「どんなにやりたいこと」で「社会から求められていること」でも、自分にそれを実行する能力がなければ叶えられません。また、「どんなに自分がやりたくて」、「自分ができること」だったとしても社会から求められていなければ、その仕事は需要が少なく、満足のいく報酬が得られません。
したがって、良いキャリアとはこの3つが満たされている状態ということになります。

わかりやすくするために、これらをベン図で表すと下記のようになります。つまり、就職活動とはこの3つの円の重なったポイント(もしくは重なるであろうポイント)を探ることが必要となるのです。

キャリアを考えるための3つの要素

 

では、この重なっている領域をどう見つけ出すのか、そしてどの様な会社がその領域に含まれるのか具体的に考えていきましょう。

1. Want,Can,Mustの3つの円を考える

キャリアを考える上で重要な「自分のやりたいこと(Want)」「自分のできること(Can)」「社会から求められていること(Must)」の3つの要素について考えていきましょう。

自分のやりたいこと

自分が将来何をしたいのか、どんな人になっていたいのかを考えてみましょう。

いきなり明確な答えが見つかる訳ではありません。大切なのは自身のイメージを言葉にしてみることです。
というのも、多くの人はぼんやりと将来の理想像があるかと思います(「多くの人を幸せにしたい」とか「家族を大切にしたい」とか「お金持ちになりたい」とか…)。しかし、その理想像は曖昧なものでまだ明確にはなっていません。

では、どうしたら自分のイメージを具体化・明確化できるかというと、言葉に落として思考することです。人間は言葉に落とさないと考えることができません。ぼんやりと自分の頭のなかにある自分の夢を言葉にしてみましょう

方法としては、まず、みなさんが将来やりたいことなど、思ったことをどんどんノートに書きなぐってみましょう。胡散臭いように思うかもしれませんが、まずはやってみてください。(ここは発散のフェーズなので深いこととか考えずに、思ったことを書いてみましょう)

次に、書きなぐったそれらを踏まえて、最終的に「自分が理想とする状態」や「自分が理想とする人物像」を考えてみましょう。ポイントは「やりたいこと」ではなく、「理想とする状態や人物像」を考えることで、その理由は3つあります。

 

1. 「何をしたいか?」は「自身の理想とする状態・人物像」を叶えるための「手段」であるので、手段ありきで将来を考えるのではなく、本来の自分の理想像をベースに手段を考えたほうが本当に叶えたいこととのブレが少なくなるから。

2. みなさんはまだビジネスを知らないため、「何をすれば叶えられるか」「どうやって実現するのか」のレパートリーが少なくベストな解決方法はまだ知らない可能性が高いから。

3. 人のやりたいことは時期によって変化するものです。一方、自分の価値観であったり、何を大切にし、どんな状況を生み出したいのか(アクション・行動ではなく、状況・状態)については変化が少ないといえるから。

社会から求められていること

こちらについては今後の労働市場、自分の興味のある分野での情報を集めてください。
これからの社会で何が求められるのか、どのような人材に価値が発生するのかを考えてみてください。

自分のできること

まだビジネスの世界に出ていないみなさんにも何らか自分の強みがあると思います。必ず言葉にしなければいけないわけではありませんが、あなたらしさが活きる強みを見つけておくと、その後のキャリアを考える上で参考になります。

2. 成し遂げたいことをを叶えるためにどんな力が必要かを考える

「3つの円の重なるところを仕事にすべき」という話をしましたが、皆さんが社会にでてすぐはこの3つの重なりの部分は本当に少なく、点ぐらいしかないかもしれないし、もしかすると重なりが存在しないかもしれません。

ではどのようにこの重なりの部分を増やしていくかというと、あなたのできることを増やしていくのが一番です。
自分の成し遂げたいことは大きく変化しませんし、社会のニーズもあなた1人で変えられるものではありません。したがって、「自分のやりたいこと」で「社会から求められていること」で、まだ自分の力をつけることが自身の夢の実現に近づきます。

しかし、闇雲にできることを増やそうと思っても、何でもこなせるスーパーマンの様な人は存在しません。そこで、これから将来成し遂げたいことを叶えるためにどんな力が必要なのかを考えて、キャリアの方針を考えていく必要があります

成し遂げたいことを叶えるために、できることを増やしていく

3. ファーストキャリアでどの企業に入るべきかを考える

2.であなたが身につけるべき能力を獲得するために、ファーストキャリアでどの企業に入るべきなのかを考えましょう。

あなたの身につけたいスキルは、どの様な条件・環境の会社であれば身につけることができるのか。自分が会社に何を求めるものは何かを言葉にしていきましょう

さいごに

何か将来やりたいことがないことが不幸であるかのように話していますが、私は不幸なことではなく、むしろ幸運なことだと思います。
何か今までの人生の中で理不尽な経験をしたり、不条理を味わった経験があれば自分の残りの人生をその解消に費やすという選択ができますが、私を含め大多数の学生が(つらい経験はしたかもしれないが)特に不自由なく今まで生活できてこれたのかと思います。だからこそ、今やりたいことが無いことについて心配に思う必要はありません。

「やりたいこと」ではなく、自分の理想とする社会・なりたい人物像について考えてみることをおすすめします。

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2015/06/07 自己分析 ,

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