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自分探し厳禁!自分の強みを見つける方法

自分の強みってなんだろう?」多くの就活生がぶつかる問題の一つです。

自身の過去を振り返ったり、友人や先輩に自分の強みについて聞いて回ったり…。あれこれ試行錯誤を繰り返したのに、ESや面接で伝えてみるとなんだか陳腐なものになったり、伝えてみたけれど自己PRにつながっていなかったり、なんてことはありませんか?

もうこれからはそんな自分探しの旅をするのはやめましょう。

なぜなら、人の能力・強み(行動特性)は既に(お偉い心理学者たちによって)カテゴライズされ、それぞれ定義付けがなされています。
そして企業はそれを踏まえて、自社の事業に合わせてどのような強みを持っている人材を獲得すべきかを考えます。
したがって、自身の能力について新たに定義していくのは無駄が多いし、企業側の定義からズレた使い方をしていると自己PRに繋がらないことも起こりえます(学生のみなさんがよく理解せずに使っている「コミュニケーション力」など)。

今回はビジネス(人事・人材開発の現場)で人の能力をどうカテゴライズし、命名し、定義付けているかを紹介していきたいと思います。

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1.ビジネスで定義されている強みとは?

ビジネスの現場(人材開発、人事評価、採用)では、常に高い能力の人材を採用し、能力を引き上げ、正当に評価することを考えています。
そのため、潜在的な能力(協力的、積極的、責任感、規律性など)ではなく、より成果に結びつく行動特性(コンピテンシー)に重きをおいています

コンピテンシー(英: competency)とは、企業などで人材の活用に用いられる手法で、高業績者の行動特性などと訳されている。(引用_wikipedia)

ではその行動特性にはどのようなものがあるのでしょうか?
切り口は様々ありますが、一例として下記の様なものが挙げられます。

分野分類 コンピテンシー 定義
チームマネジメント リーダーシップ 部下に対して、自分が管理する組織全体の方針や戦略・ビジョンを明確に示し、その方向に向けて組織全体を動機づけまとめ動かす力。
(組織のビジョン・方針設定力+方針浸透力+動機づけ力)
強制力 部下や後輩を、自分の考えや組織の要求に従わせ、その通りに動かしていく力。もし部下や後輩がそれに従わないような場合でも、あらゆる方法を使って従わせていく力。
(強制力+指揮統率力)
育成力 自分の部下や後輩の能力や技術の現状を正確に分析し、それをさらに開発・伸張させていく力。その場合にただ研修に送り出すなどではなく、直接自分が手を下しながら行なう育成の力のみを意味する。
(能力アセスメントカ+育成場面設定力+指導力〕
チームワーク 組織全体や、他のチームメンバーのことを考え、協力しあいながらチーム全体の目標を達成していく力。
(協調性+メンバーシップ)
達成行動 達成指向性 自分自身や組織全体の目標を自ら設定し、それを達成するまで諦めずに粘り強く取り組む行動する力。さらに、目標を達成してもさらに高いレベルをねらうなど、常により高い成果を生みだそうとする行動である。
(目標設定力+粘り強さ+向上心)
イニシアティブ 将来を先読みし、今後起こるであろう変化・ピジネ久チャンスを正確に判断し、その変化やチャンスに遅れないようにするため、今から対応しておくべきことを考えそれを実行する力。
(先見性+主体的行動力)
顧客指向性 直接的に顧客に接し、顧客は何を自分違に求めているのかを敏感にかつ正確に把握することで、その顧客のニーズにその通り応えていく力。
(顧客ニーズ把握力+サーピス精神)
徹底確認力 仕事を進めるうえでもれやミスがないか、あるいは決められた基準からずれていることはないかを徹底的にチェック・確認し、それらを最小限になくしていったり未然に発生を防ぐ力。
(問題発見力+問題解決-修正力+綴密性)
思考力 分析思考力 市場や顧客・取引先において今起こっている状況や問題などを正確に理解し、それを整理・分析することで自分なりの対応策を考え出していく力。
(理解力+観察力+問題解決力)
概念的思考力 一見するとあまり関係がないように思えるような事象の間にある、共通する意味、関係を把握したり、ある事象から連想的に別の新しい概念を見いだしたりすることで、新しい考え方やモデル、独自の理論をつくりあげていく力。
(創造性+理論・モデル構築力)
情報指向性 あらゆる情報源や情報ルートを自ら開拓し、仕事で必要となる情報を誰よりも早く正確に、かつ幅広く集める力。
(情報収集力+情報源の多さ)
専門性 自分の専門的な知識やスキルを拡大し、それを仕事に活用したり周囲の人達にも広めたりする力。
(専門的知識力+知識活用力)
対人影響力 対人インパクト 社外の関係者・社内の他部署などの相手に対して、こちらの考えている通りに相手が納得し動いてもらうために、あらゆる説明の方法や道具を駆使しながらインパクトを与えていく力。
(説得力+影響力の豊富さ)
対人理解力 相手の気持ちや考えを自分の考えや感情でゆがめることなしその通りに正確に理解していく力。単に言葉や態度で伝えられたものだけでなく、言外にある意味もその通り察していく力である。
(感受性+傾聴・受容力)
関係構築力 社内外の関係者との間に利害や取引的な関係を入れずに、とにかく仲のよい親しい人間関係を作り上げていく力。
(社交性+エンターテナーカ+話題の豊富さ)
組織感覚力 組織の中にある力関係や意思決定構造(公式なものも非公式なものも含む)、さらには組織風土など、公式・非公式な構造を正確に把握し、それに従った対応行動を起こしたりそれらを効果的に活用する力。
(政治感覚+パワー活用力)
セルフマネジメント フレキシビリティ 社内での業務活動や問題解決に際して、状況に応じて既存の方法にとらわれず全く新しい方法を実行したり、既存の方法でもやり方に改良を加えながら臨機応変に行なっていく力。
(柔軟な発想力+状況判断力+手段・打ち手の多さ)
自信〔自己貫徹力〕 自分の考えや意見・やり方に対して、強い信念を持ちそれに対して誰が批判をしたり異議をとなえても断固として自分の考えを貫き通し、何かを自分でやり抜く力。
(信念の強さ+押しの強さ+チャレンジ精神)
セルフコントロール ストレスの高い状況の中でも感情的になったり衝動的になったりすることをおさえ、常に前向きで安定した行動を保つ力。
(ストレス耐性+自己抑制力)
組織貢献力 上司や組織からの要求・命令に従い、その通りの成果・結果を出すために自分の行動や考えを組織の側に合わせていく力。自分個人のことよりも組織の使命を重視して考えていく力。
(組織適応力+奉仕精神)
自発的努力 業務の改善・向上・問題解決など新たなチャンスの発見や創造につながるようなことを誰からも言われなくても自分の興味・関心に基づいて自発的に取り組んでいく能力。
(興味関心の強さ、広さ+チャレンジ精神+自発性)

2. 企業の人材戦略と求める人物像がどのように決まるか

これまでどのような行動特性があるのかを見てきましたが、今度は企業側の視点に立って、どのように企業の採用戦略・求める人物像が決まるのかを見て行きましょう。

「経営理念やミッション」が大元にあり、「現在展開しているビジネスモデル、経営戦略」から今後に必要な組織と人材が決定します

企業の求める人物像

したがって、現在どのようなビジネスをしていて、職務の遂行にどのような力が求められているか、もしくは今後どのようなビジネスを展開したくて、その際にどの様な能力が求められるのかを考えることで、求める人物像を推測することができます

もちろん皆さんは会社を引っ張っていく人材として採用されますが、まずはビジネスマンとして一人前になる必要があります。
よって「これからのビジネスで必要となる力」よりも「今の既存のビジネスで求められている力」の方がウエイトは大きくなります。

企業の求める人物像の考え方

現在のビジネスを遂行する上で必要な力は、実際に成果を挙げている社員がどの様な行動特性を持っているかインタビューを繰り返しながら明らかにしていきます。

例えばマーケティングリーダーであれば「分析的思考力」「概念的思考力」「対人影響力」「徹底確認性」「フレキシビリティー」など。

必要な行動特性を洗い出した後、さらにそれぞれをレベル分けしていきます。
はじめから完璧な人材などいないので、採用の段階でどのレベルを達成していて欲しいかを決め、採用基準としていきます。

例えば「リーダーシップ」の場合下記のように達成レベルを設定することができます。

レベル リーダーシップ
0 部下に対して何も方針を出さず、部下がぱらぱらになっていてもそのままである。
1 方針やビジョンは部下に一応は伝えているが、その内容は自分で考えたものではなく、上から言われたことをそのまま伝えているだけである。さらに一部の部下にのみ伝えているだけで、部下全体には情報が伝達されていない。
2 部下全員に対し組織の方針などを、その理由や背景などもつけて伝えている。ただし、ただ伝えているだけで部下をその方向にまとめ動かすことはなく、伝える内容も上からの方針そのままで自分の考えは入っていない。
3 自分なりの方針を考え、それを部下全員に伝えると同時に評価・仕事の配分などにおいて全部下を公正にあつかっている。
4 自分の考えに基づいて組織全体の方針を打ち出し、その方向に部下をまとめて動かすためにあらゆる援助や動機づけを自ら行なっている。
5 自ら部署全体の方針を打ち出し、部下全体から高い信頼感を得ながらその方向に組織をまとめ動かしている。また他の部署からもリーダーであると認知されている。
6 全社の経営全体に影響を与えるような方針を自ら打ち出し、組織全体を動機づけ・高い信頼感を得ながら、その方向にまとめ動かしている。
7 リーダーとして非常に高いカリスマを持ち、社内の誰もがその方針やピジョンに心の底から心酔し従うくらいのリーダーシップを発悔している。

上記のように企業では採用の評価軸、基準レベルを決めていくのが一般的です。

 

3. ESや面接でどうアピールしていくか

「1.ビジネスで定義されている強みとは?」で自分の特徴に合致する行動特性がいくつか見つかったと思います。それを元に、自分がどのレベルで達成できているのかがわかるエピソードを交えながら記述・伝えていくとよいでしょう

達成レベルを意識しながら伝える

例えばアルバイトの活動において自信の強み(顧客指向性)が発揮された場合を考えてみましょう。
同じ「ニーズを汲み取りながらサービスを提供しました」という内容でも、その達成レベルを意識しながら書くことで自信の強みを

A:「お客さんを観察することでニーズを汲み取り、満足してもらえるサービスを提供できました。」(達成レベル2)

B:「お客さんへの接客を通じてヒアリングを100件ほど行い、今何が求められているのかを考え、新しく○○のサービスを提供し、お客さんに満足してもらいました」(達成レベル6)

AよりもBの方がお客さんのことをしっかりと考えていることが伝わりやすくなります。

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