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福利厚生の上手な聞き方~安直に質問すべきでない3つの理由

福利厚生や待遇は会社を選ぶ上で重要な要素の1つです。
曖昧なまま把握せずに入社後に後悔するよりも事前に確かな情報を手に入れて企業を選ぶのがベストです。
ただし、面接や説明会の場面でこれらについて安直に質問するとあなたにマイナス評価を与える可能性があるのも事実です。

今回は印象を悪くせずに上手く聞き出す方法(質問例)と安直に質問すべきでない理由をご紹介します。

印象を悪くせずに福利厚生について聞き出す方法

福利厚生や待遇は会社選びをする上で判断軸の1つになります。
ストレートに聞いてしまうと弊害が出てしまうこともありますが、上手く質問することでより有益な情報を印象を悪くせず聞き出すことができます。

ポイントは「質問のタイミング」と「前フリをいれること」の2点です。

質問のタイミングとしては、面接が少し進んでから2次面接以降などで聞くと良いでしょう(お互いがよりマッチすると感じてからの方がより丁寧に答えてもらいやすくなります。)
前フリに関しては、質問の際に「会社に貢献したい」「意欲がある」ことを枕詞として使うと良いでしょう

残業、休日出勤について聞く

働き方をイメージする上で残業/休日出勤が重要な方も多いのではないでしょうか?

例:残業時間を聞く

入社後早く先輩方に追いついて活躍するために残業してカバーしたいのですが、皆さん普段どれくらい残業されているのですか?

残業は多いですか?

例:休日出勤について聞く

チームに貢献するために休日出勤が必要な場合はしっかり対応と考えていますが、どれくらいの頻度で休日出勤が発生すると考えておけば良いですか?

プライベートも充実させたいので休日出勤があるか教えてください。

興味のある福利厚生について詳細を確認する

興味のある制度があるのであれば深掘りして話を聞いてみると良いでしょう。
「どれくらいの割合の人が利用しているか」「利用することでどんなことが良かったかの実体験」を聞けるとあなたにとって有益な情報になるでしょう。

例:女性の働き方支援

もし御社で働くことができれば是非長く働きたいと考えているのですが、女性を支援する制度として○○があると聞いていますがどのような制度なのでしょうか?また、産休/育休を取得した方、復職して子育てをしながら働いている女性はどれくらいいらっしゃいますか?

産休/育休の制度はありますか?

例:研修制度など

社会人になった後も積極的に自身のスキルアップをしていきたいと考えているのですが、○○さんは御社の○○制度を活用されましたか?
→【使った場合】どのような点で制度が役に立ちましたか?制度を利用することでどのような点が実際の仕事に活用できましたか?
→【使っていない場合】どれくらいの割合の人が制度を利用していますか?

研修制度は整っていますか?

例:社宅制度など

社会人の初めの数年は仕事に打ち込みたいと考えているのですが、○○さんは社宅制度を活用されましたか?実際に使ってみてどんな点が便利でしたか?

年収、給料を聞く

お給料は会社選びの上でも非常に重要ですね。
ただし、なかなかストレートには聞けませんし、「いくらもらっていますか?」と聞くのは失礼になってしまいます。
少し回りくどくなってしまいますが、確認の仕方を工夫してみましょう。

中途採用情報から推測する

中途採用をしている企業があればチャンスです。
採用後の「ポジション」と「年収レンジ」がセットになって記載してある場合がほとんどです。(マーケティング マネージャー候補 600万円~700万円 など)

同じ仕事内容で元から会社にいる人と外から採用する人の年収にギャップがあると不公平感が生まれ組織が成り立たなくなってしまうので、「中途採用で記載している年収≒そのポジションでの年収」と考えて良いでしょう。(もちろん需給バランスや採用後のリスクヘッジなどがありますので必ずしもイコールにはなりませんが…)

次に面接で該当の役職に何年くらいで就くことができるか、何歳くらいの人がその役職についているかを質問しましょう。(マーケティングのマネージャーラインの方は何歳くらいですか?マネージャーになるには何年くらいかかりますか?)

例えば、「マネージャーは40歳前後の人が多い」という回答があれば、(中途採用情報と照らし合わせて)おおよそ40歳前後で6~700万円程度もらえることが推測できます。

有価証券報告書を調べる

上場企業であれば有価証券報告書に平均年収の記載がありますので確認してみましょう。

企業の公式サイトの「IR」または「株主向け情報」のページに行き、「IRライブラリ」というページを確認します。
その中に「有価証券報告書」がありますのでそれを開きます。
注意点としては、通年(1年間)の有価証券報告書を確認しましょう。企業は3ヶ月毎に有価証券報告書を提出していますが、平均年収について記載してあるのは通期の有価証券報告書のみです。

基本的に構成はどの会社も同じで、下記のような構成になっています。

第一部 企業情報
第1 企業の概要
1. 主な経営指標の推移
2. 遠隔
3. 事業の内容
4. 関係会社の状況
5. 従業員の状況
 第2 企業の状況
1. …

この企業の概要の「5. 従業員の状況」に平均年収や平均勤続年数、部門ごとの従業員の人数などが記載されています。

ざっくり制度について聞く

特に企業研究などしておらず、ざっくりどんな制度があるのか概要を知りたい場合は以下のように質問してみてはいかがでしょうか?
(志望度が高い企業はしっかりと下調べをした上で質問をしてください。)

例:主な制度の概要を知る

会社の制度で○○さんが働いていて役に立った制度はどのようなものがありますか?

福利厚生について教えてください。

安直に質問すべきでない3つの理由

1. 会社への貢献意識の高さが感じられない

第35代アメリカ合衆国大統領のジョン・F・ケネディの次の言葉があります。

Ask not what your country can do for you; ask what you can do for your country.
国があなたのために何をしてくれるのかを問うのではなく、あなたが国のために何を成すことができるのかを問うて欲しい。
John F. Kennedy (ジョン・F・ケネディ)

これは企業と従業員の関係にも言えることです。
もちろん企業は従業員の生活を支え快適に働ける環境を整えることは当然ですが、従業員も(みなさんも)会社に貢献し企業成長を支える必要があります。

採用においても、企業と従業員が対等にお互いを支え合えるような学生を採用したいと思うのは必然です。
しかし、残念ながら義務を果たさず権利ばかり主張するような方も少なからず存在し、会社にとって悩みの種になっているのが現状です。

みなさんが面接などで福利厚生について質問すると、(真意は違うにも関わらず)企業側からは「会社に貢献するより自分の権利を重視するかもしれない」と疑問を抱かせてしまうことに繋がりかねません

2. 面接で質問しなくても調べることができる

福利厚生や待遇については面接でわざわざ質問しなくても求人媒体や公式採用サイトに記載がされています。
「どんな福利厚生がありますか?」といった浅い質問は、これらの情報を復唱するだけで有益な情報は得られませんし、「採用情報を見ずに受けに来ている人(志望度が低いのでは?)」という印象を面接官に与えかねません

福利厚生面は企業側もアピールポイントになりますので求人媒体に必ず明記してあります。まずは自分で確認するところからはじめましょう。

3. 深掘りして聞かないと意味がない

2と若干矛盾してしまう内容になりますが、実際には福利厚生の制度があるかどうかよりも、どのように福利厚生の制度が使われているかが重要です

例えば「産休・育休」などの制度はどの企業にも義務付けられているにも関わらず、マタハラ(働く女性が妊娠・出産・育児をきっかけに職場で嫌がらせを受けること)など受けるケースが多く存在します。
本当にその会社の福利厚生を活用したいのであれば制度があるかどうかだけではなく、一歩踏み込んで情報を得る必要があります。

したがって、「どんな福利厚生がありますか?」などの広く浅い質問をしてしまうと、せっかく答えてもらってもは企業選びのための情報になりえません。

さいごに

いかがでしょうか。
質問の仕方次第で自分の知りたい情報をなるべくマイナスの印象を与えずにヒアリングすることができます。
是非皆さんも福利厚生について知りたい場合は、面接の前にどのような質問をするか予め考えた上で臨むようにしてみましょう。

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