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【バイト・ビジネス編】学生時代に頑張ったことの伝え方徹底解説

どの企業においてもESや面接で問われる「学生時代に頑張ったこと」。
いわゆる”ガクチカ”は、企業が就活生を知るための有効なエピソードとなります。
アルバイトや長期インターンなどの経験はビジネスの経験に近い(PDCAが回しやすくエピソードとして伝えやすい)反面、同じようなエピソードを話す(競合となる)学生さんが多いのも事実です
今回は「バイト・ビジネス」をテーマに打ち込んだことを伝える際の注意点とアドバイスを紹介していきたいと思います。

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「バイト・ビジネス」の特徴

「バイト・ビジネス」をテーマにアピールする場合のメリットとしては、実際のビジネスとの類似性が高く(PDCAを回しながら成果を出したり、場合によってはマーケティングの知見を活かしたりなど)、企業に入ってからの活躍をイメージさせやすいことが挙げられるでしょう。
また、取り組みの成果を金額で表現しやすく、どの程度の成果を残せたのかを伝えやすいことが挙げられます。
1万円を稼ぐには1万円分の難しさが、100万円を稼ぐには100万円分の難しさがあり、成果の大きさをざっくりイメージすることができます。

一方、デメリットとしては、同じようなエピソードを話す学生が多く、差別化がしにくい点、結果が出るまでに時間がかかる点が挙げられます
したがって、『「学生時代に頑張ったこと」で差をつける6つの要素』でお伝えした

1. 定量的(数字を使って)に伝える
2. ビジネスの場面を想定しながら伝える
3. 自分の強みを意識した上でエピソード伝える

の3つを意識しながら差別化できるようにしていきましょう。

アピール方法

1. 成果をアピールする

取り組みにおいて既に一定の成果が出ている場合、それをアピールしていきましょう。

その際、「マーケットでの評価」と「経年での評価」の2つの観点から考えるとよいでしょう
マーケットでの評価は「〇〇社の中で案件を受注した」「近隣の店舗の中で一番の売上を上げた」などのように現在の競合と比較する方法。
経年での評価は、「前年の売上は〇〇万円だったけれども、今年は▲▲万円に増えた」など、過去の業績と比較する方法。

部活やサークルとは異なり、アルバイトやビジネスの場面では何かの大会があるわけではありませんのでマーケットでの評価は難しく、経年での評価の方がアピールに向いているかもしれません。
また、飲食店などではシーズナリティーが強い業界です(忘年会の12月は売上が上がるのは面接官も把握している)ので、先月比ではなく昨年同月比で数値を出したほうが説得力が増します。

2. 過程をアピールする

就活の時期にまだ成果が出ていない場合は、目標に向けて活動している過程をアピールすることでも自身の魅力をアピールできます。例としては下記のものが挙げられます。

アルバイトへのコミット時間

1日〇〇時間勤務してる、など投入時間をアピールする方法です。
どれくらいからアピールできるかは一概には言い切れませんが、週4日以上 1日4~5時間以上取り組みがあれば多い方といえるでしょう。

また、投入時間だけではなかなかアピールにつながらないので、他のメンバーとの比較をしながら伝えるとよいでしょう。(他のアルバイトのメンバーよりも毎日○○時間多く勤務している、など)

競合の把握

ビジネスにおいて競合について把握することは重要です。
競合する会社・店舗・団体について情報を把握していることはそれだけ本気で打ち込んでいることのアピールにもつながります。

テーマ別攻略法

飲食店などでの接客業

飲食店などの接客アルバイトの経験がある人は多く、どの様な取り組みをしているのかが面接官もイメージできるため相手に伝えやすいエピソードであります。
一方、定量的に自身の実績を伝えることが難しいのが難点です。(お店の会計情報を伝えてもらえるところは少なく、仮に自身の接客で売上が上がったとしても、その因果関係を伝えるのは難しいことが多い。)

定量的に伝えられる成果があれば、積極的に活用しアピールしていきましょう。

定量的に伝えられる成果がない場合(「お客さんのニーズを汲み取りながら接客しました」「何を求めているかを察知して対応の仕方を変えました」などのパターン)、成果についての具体性に欠け、他の学生さんと比べてどう優れているのか面接官が判断しにくくなってしまいます。

そこで、自分の行動特性(コンピテンシー)がどのレベルで達成しているのかを意識しながらアピールしていくと、面接官にも自身の取り組みをイメージしてもらいやすくなります

コンピテンシーについてはこちらを御覧ください:

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例えば接客業の場合、「顧客志向性」などが必要となりますのでこちらを具体的に見ていきましょう。

顧客志向性の達成レベル

企業によって設定レベルは異なりますが、一般例としては下記のように設定されます。

レベル 顧客指向性
0 顧客を満足させることには全く無関心で、顧客を無視した仕事の進め方である。
1 顧客から直接的に「こうしてほしい」と言われればそれをその通りに実行して
いる。ただし自分から何か顧客満足につながるようなことは行なっていない。
2 顧客の満足度を常にモニターし、満足していないところがあれば、顧客からなぜなのかを聞き出しそれに応えている。
3 顧客から言われなくても顧客の様子を見ながら相手が何を求めているのかを敏感に察知し、その求めていることに応えている。
4 顧客に通常求めている以上の高い満足感を持ってもらうにはどうすればよいかを常に考え、それを実現するため方策をみずから実行している。
5 顧客自身も明確には意識していないような潜在的ニーズを正確につかみ取り、そ れを具体化し、実現していっている。
6 顧客ニーズが一般的にどのように変わってきているのかを直接多くの顧客に接することで敏感に感じとり、その変化に対応し顧客の満足に今後も継続して応えるためにどうすればよいかを考え、自らその対策を実行している。
7 今までにはなかった市場のニーズをこちらから創造するようなサーピスのありかたを考え出し、それを実現している。

先ほど例示した「お客さんのニーズを汲み取りながら接客しました」というエピソードはレベル3に該当します。
(もちろん面接でのウソはNGですが、)真にお客さんに喜んでもらえるサービスを提供している場合、これより高いレベルの行動特性を満たしていることが多いと思います。

みなさんのアルバイトの取り組みを再度振り返り具体的なエピソードを交えながら伝えていくと、あなたならではのエピソードを書くことができ他の就活生と差別化することができます。

接客業で発揮される強みの一例

顧客志向性
対人理解力

塾講師・家庭教師

塾講師・家庭教師も経験したことのある方が多いのが特徴ですが、場合によっては面接官に伝えづらいエピソードも存在します。まずは塾講師系のエピソードを分類してみましょう。これらのエピソードはのパターンは下記の3つがあります。

1. 塾・家庭教師派遣の経営をしている(全体の1%以下の割合ですが、毎年このトピックスについて話す方に数人お会いします)
2. 塾・家庭教師の新規生徒募集をしている(全体の30%程がこのパターンです)
3. 塾・家庭教師で講師として教えている(残りの70%がこのパターンに該当します)

ではそれぞれのパターンについて見て行きましょう。

1. 塾・家庭教師派遣の経営をしている

こちらのエピソードは起業や経営の体験に近く、面接官にとっても評価がし易いエピソードです。なぜ起業しようと思ったのか、既存のサービスとの競合優位性などを伝えていくとよいでしょう。

2. 塾の新規生徒募集をしている

塾講師と兼務、もしくは専任で生徒の募集を担当している場合が当てはまります。こちらの場合もマーケティングに近い要素がありますので、それらを踏まえた上でエピソードを伝えていくとよいでしょう。

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3. 塾・家庭教師の講師として教えている

人数としては一番多い講師として生徒を教えていたパターンについて。残念ながら面接官の評価が難しいエピソードとなってしまいます。

講師の経験が評価されにくい理由

何故かというと、「講師としての成果」としては「生徒の成績が上がった」「生徒が志望大学に合格した」などが挙げられるかと思います。もちろんあなたの努力の結果が生徒の成績の向上などに繋がったと思いますが、成績向上の成果は「あなたの努力」と「生徒の努力」の結果によりもたらされたものです。

したがって成果の大きさが理解できても、それがあなたの貢献によるものなのか、それとも生徒の貢献によるものなのかの判断が難しくなるのです。

講師の成果をアピールするコツ

1つ目は最難関大学への合格を目的とした塾(例えば東大理Ⅲや東大法学部向けの鉄緑会など)での講師経験がある場合。経験の豊富な面接官の場合、実績をしていることが多いので、評価してもらえる可能性があります。

2つ目は、成績向上実績・合格実績のサンプルを増やすことです。「特定の1人の学生の成績が上がった」というエピソードを聞いても先述の通り、面接官は成果の判断が難しくなります。そこで、サンプル数を増やす(例えば「30人受け持っている生徒全員の偏差値が10以上上がった」など)ことで評価をしやすくなるでしょう。(ただし、家庭教師の場合は1対1のため、この方法は使いにくいでしょう)

3つ目は他の塾講師と比較して成果をアピールする方法。「他の講師では成績が上がらなかったが、自分が教えた生徒は成績が上がった」などでアピールできるでしょう。家庭教師の場合、成績が上がらないと講師を入れ替えることがありますので、「以前の講師は成績があげられなかったが、自分は上げることができた」などとしてアピールすることもできます。(ただし、塾講師の場合同じ校舎内に同じような学力の生徒のグループが複数ああることは少なく、こちらもアピールしにくい可能性があります。)

営業バイト

携帯販売やネット回線の販売など、営業バイトは成果が数値に表れるため、面接官に伝えやすいトピックスといえるでしょう。また、接客業のアルバイトよりもビジネスに近い要素が多く、営業力を武器としている会社には即戦力として自身をアピールすることもできます
相手のニーズを引き出し、自社の商品を納得し、購入を決めるようコミュニケーションを取っていくのは非常に高度なスキルが要求され、それを身につけていることは大きなアドバンテージになります。

一方、デメリットとしては、戦略性について評価されにくい傾向があります
「大学生の営業を任せられる」ということは、マニュアル通りに進めていけば契約が取れるような仕組みを会社側が既に作っていて、その仕組み通りに動けば成果があがる場合が多いのが現状です。

志望企業が「仕組み通りに動く人材」ではなく、「仕組みを創る人材」を求めている場合、自身の行動の戦略性(手足だけでなく、頭も使って営業していたこと)をアピールしていくとよいでしょう

企画・広報(新商品、新しい集客手法の確立)

居酒屋バイトでの新しいサービス・商品の企画や、塾講師バイトでの新しい集客手法の確立などに関わる場合があてはまります。

ビジネスとの親和性も高く、マーケティングや商品開発の知識があると、自身の今までの取り組みを体系立てて、わかりやすく伝えることができるでしょう。

長期インターン

ベンチャー企業などでの長期インターンもよりビジネスに近い取り組みで評価されやすいトピックスの一つでしょう。
アルバイトよりも長期インターンの方がより裁量を与えられて働いていることが多く、より考え・行動しているケースが多いように感じます。

一方、デメリットとしては、長期インターンでは成果がでるのに比較的時間がかかるため、就活時期に目立った成果が出ていないことが挙げられます。

成果がまだ出ていない時の対策としては、取り組み姿勢でアピールする方法があります。
月の勤務日数や勤務時間など他のインターン生よりも(場合によっては社員よりも)多く取り組んで、周りからの信頼を得ていることを伝える方法があります。

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