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【研究・勉強編】学生時代に頑張ったことの伝え方徹底解説

どの企業においてもESや面接で問われる「学生時代に頑張ったこと」。
いわゆる”ガクチカ”は、企業が就活生を知るための有効なエピソードとなります。
しかし、学生の本分でもある勉学をとことん追求しても面接官に理解してもらえない…、そんな経験をお持ちのかたも多いのではないでしょうか?

今回はそんな「研究や勉学」をテーマに打ち込んだことを伝える際の注意点とアドバイスをご紹介していきます。

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「研究・勉強」の特徴

「研究・勉強」をテーマにアピールする場合のメリットは、「自身の持っているスキルをアピールできる点」があります。
外資系コンサルティングファームのように理系院生を優遇している企業や、海外展開をしていて留学経験のある学生を優遇する企業に対してはプラスに影響すると考えられます。
(理系院生のメリットは後述『企業からみた理系院生だからこその強み』)

一方、デメリットとしては、自身の実績が面接官に伝わりにくいことが挙げられます。
特に理系の研究内容については、面接官が同じ理系だったとしても分野が違うとどれくらいすごいのか正確に理解するのは難しいでしょう(面接官が文系の方だった場合は絶望的です)

ではどのようにアピールしていくべきか、具体的にお伝えしていきたいと思います。

アピール方法

1. 成果をアピールする

取り組みにおいて既に一定の成果が出ている場合、それをアピールしていきましょう。
その際のポイントは専門外の人にも成果をわかりやすく定量的に表現してあげることです。

というのも、短い面接の時間内であなたの研究内容を面接官に理解してもらうことは難しいですが、あなたが残した成果の大きさについては限られた時間の中でも伝えることができます。
例えば、「100人の中から10人が選ばれる賞を受賞した」「研究室のメンバー15人の中から学会で発表できる3人に選ばれた」などの表現をすれば、研究に関する知識がなくてもあなたの成果の大きさをイメージすることができます。

また、参加した学会名や掲載論文集の名前などを伝えることであなたの成果を権威付けることもできますので、ESなどで文字数に余裕があれば伝えてあげましょう。

2. 過程をアピールする

就活の時期にまだ成果が出ていない場合は、目標に向けての過程をアピールすることでも自身の魅力をアピールすることは可能です。例としては下記のものが挙げられます。

競合の把握

自身の研究・ゼミのテーマに於いて有名な研究室や研究者を把握していることはそれだけ本気で打ち込んでいることのアピールにもつながります。
というのも、ビジネスにおいて競合について把握することは重要であり、日頃から周囲の分野の情報収集できていることはプラスの評価につながります。

研究へのコミット時間

一日〇〇時間研究に時間を割いていた、など投入時間をアピールする方法。
どれくらい研究にコミットしているかの1つの指標になります。
ただし、学生さんの中には研究室にいるだけで効率的な時間の使い方をしていない方がいることも人事はわかっているので、どんな活動に時間を割いていたのか具体的に伝えるとより納得感が高まります。

普段読んでいる論文数

週または月に〇〇本の論文を読んでいるなど。
真面目に研究に取り組んでいる学生であれば普段から研究分野の論文は定期的に目を通していますので、どれくらいの頻度でどの程度の分量の論文を読んでいるかでおおよそ研究の取り組み方をイメージすることができます。
ただし、文系の面接官や学生時代にあまり論文を読んだ経験がない人が面接官の場合、あまりアピールにつながらない可能性があります。

e.g. 自身の研究テーマに近い英語論文(〇〇ページ)を週に▲▲本読むことを自分に課して、実行している。

3. その他のアピール方法

研究室・ゼミの配属難易度

配属に一定の試験や面接を課しているゼミ・研究室も少なくありません。
配属倍率・教授の厳しさなどでアピールするのもよいでしょう。
「学科内で一番人気のゼミで、入ゼミ倍率が3倍ほどのゼミに入り、そこで成果を上げた」となると、面接官もおおよそあなたの活躍についてイメージすることができるでしょう。
ただし、インパクトは小さいので上記の成果・過程のアピールと合わせて行うとよいでしょう。

楽しそうに研究内容を話す

成果としてアピールできるものがなければ、頑張ったことについてワクワク楽しそうに話すことも一つの方法です。
楽しそうに話すことで。「今やっている研究がすごく楽しくてのめり込んでいること」が伝わり、自発的努力(誰からも言われなくても自分の興味・関心に基づいて自発的に取り組んでいく能力)がある人だという印象を与えられる可能性があります。

というのも、社会人になるとやりたい仕事はもちろん、あまり気の進まない仕事についてもコンスタントにモチベーションを保って仕事をしていく必要があります。
はじめはあまり興味を持てなかったけど、仕事を進めるうちに楽しくなってきてハマってしまう、というのは企業側からすると(非常に一方的なのですが)重要なのです。

研究も「自分の好きなことをやる」というよりも、「テーマを与えられる」ことのほうが多いと思います。その中で自分の役割を考え、楽しみながら進めていけることは1つの強みになります。

テーマ別攻略法

研究(理系院生)

理系の研究職採用で面接官も研究職の方の場合はストレートに研究内容を簡潔に伝え、自身の成果をアピールしていけばよいでしょう。

一方、文系就職をする場合や、面接官が理系の研究職でない場合(人事の方など)は成果を伝える工夫をする必要があります。
先述のポイントを抑えることで、理系の知見がない人にも自身の魅力をアピールすることができるでしょう。

学会発表

・発表形式
オーラルでの発表かポスター発表かで難易度が変わってくるため、口頭発表の場合はその旨伝える。

・参加者の割合
研究室(もしくは同期)○○人中▲▲人が参加したなど。
研究内容について正確に伝えなくても、「他の人にはできなくて自分にはできたこと」を伝えればどれほどの成果の大きさなのかイメージできます。

・賞を受賞した
受賞した賞の名前「〇〇賞」と共に、こちらも「〇〇人中▲▲人がもらえる賞」などで難易度をアピールしましょう。

・学会名
納得感と難易度のアピールにつながります。

論文掲載

・掲載される論文集名
納得感と難易度のアピールにつながります。

・査読の有無
論文の掲載といってもピンキリなので査読ありの場合はアピールしていきましょう。
(ただし、面接官が文系の場合、査読の意味を理解していないことが多いので伝わっていないようであれば補足して説明をするとよいでしょう)

・他の研究室生との比較
研究室(もしくは同期)○○人中▲▲人が掲載されたなど。

研究で発揮される強み

学生時代に頑張ったことを伝える際はあなたの強みを意識しながら書いていくと、自身の魅力をうまく伝えていくことができます。
それぞれの強みの定義などは詳細ページをご覧ください。

分析的思考力
概念的思考力

共に仮説を立て、実験し、論文にまとめる過程で必要になる力

情報指向性

論文を読み情報を誰よりも集めたり、他大学の教授のところまで情報収集したりするときに発揮される力

専門性

新しい分野の知識を習得し、またそれを研究室内に広める際に必要となる力

自発的努力

自らの興味関心に基き、教授に言われなくても新しい知識の習得・試行錯誤を繰り返

セルフコントロール
組織貢献力

共に厳しい研究室で生き抜くために必要な力

ゼミ活動

ゼミの活動は理系の研究と比べて、対外的な比較がしにくいのが難点です。
理系の場合「学会で発表する」「論文集に掲載される」など外部から客観的な評価をされていることが多いのですが、ゼミの場合そのゼミの教授の評価にとどまってしまうことが多いです。
「教授に褒められた」といった内容はいくらでも学生側で盛って話せるため、企業側も評価しにくいのです。

他大学とのプレゼン大会

他大学とのプレゼン大会等の経験があれば比較的定量的に伝えることができます。ただし、参加ゼミ数が学会などと比べると圧倒的に少ないのでインパクトには欠けてしまいます…

論文発表

研究テーマなどを論文で発表する場合。「○○文字の論文を執筆した」などテーマを理解していなくてもどれくらいの論文を書いたのかイメージできる内容を伝えていきましょう。

留学・語学

最近では留学をする人が多くなってきているので、「単に留学に行っただけ」では他の就活生との差別化は難しいのが現状です。
語学学校に通ったレベルでは評価を得るのは難しく、少なくとも半年から1年以上は滞在して現地の学生と同じ授業を受けていることが望ましいです。

よりアピールする方法としては、授業外で現地の人たちとの取り組み(インターンやアルバイト、サークル活動など)について語るなどが挙げられます

留学で得た気付きを帰国後にどのように活かしているのか、どのようなアクションを起こしたのかを伝えるのもひとつです。

e.g.
「留学で得られた気づきから学生団体を立ち上げた」
「語学力が衰えないように学内の留学生コミュニティーに参加し、週1で交流をしている」など。

院試・編入・転学部・仮面浪人

努力されたことはもちろん素晴らしいのですが、採用においては編入先・転学部先の学生の方も多く受けに来ます。
そうなると、「元々その学部に合格した人」と「編入・転学部した人」との間で能力差があるかというと有意な差を見つけるのは難しいでしょう(もちろん転学・編入はハードルが高くなりますが、その事実だけで採用したい!と結びつくには難しいです)

アピールするとしたら、「編入試験の勉強を頑張りました」だけでなく、編入をゴールとするのではなく、もっと長期的な目標をもって取り組んでいることをアピールするとよいでしょう。
例えば、「編入した後の目標を設定し、それに向けて努力を重ね、無事編入を果たし成果を上げている」など。
大事なのは、編入がゴールではなく、その後にキチンと成果を上げていること。
それがないと、普通に入学した人と差別化ができなくなってしまうので、注意してください。

記載例:

「入学後に自分の将来を考え、○○大学の△△先生の元で勉強したいと決心し、編入のための勉強をし、無事△△先生のもとで勉学に励み××の成果を上げている」

院試・編入・転学部・仮面浪人について内定者ののES記入例はこちら

資格取得

何かしら資格取得に向けて努力し無事取得できれば、あなたの能力を示す一つの指標になりえます。
ただし一定の難易度がないと自分を魅力づけることはできません。
(TOEIC800点レベルや簿記2級レベルでは他の就活生と差別化は難しいでしょう)

Appendix_企業からみた理系院生だからこその強み

理系の強みは「分析的思考力、概念的思考力が高さ」「論理的思考力が高さ」「ストイックさ」の3つを挙げる事ができます。

・分析的思考力、概念的思考力が高さ

研究では広く知られている理論や法則を元に個別の現象を説明したり、実験などで得られた個別のデータから理論を構築していくことが求められます。
これは実際のビジネスでも必要とされる力であり(例えば、個々のユーザーニーズから商品開発をしたり、他業界での成功パターンを自社の成功につなげたりなど)、理系の強みの一つです。

・論理的思考力が高さ

研究を進めていると論文を執筆したり学会での発表をしたりする機会があり、そこで培われる論理に考え伝える力が高いとされています。

・ストイックさ

何時間も事前準備をし、実験をし、成果が出なければまたゼロからやりなおし…理系の学生には日常茶飯事ですが、理系の強みで意外と大きいのがこのストイックさです。

「地道で丁寧な事前準備が実験結果に影響し、結果がでなくても諦めずに試行錯誤を繰り返す」このストイックさはビジネスでも必要になります。
(ビジネスも実験に似ていて、なかなか成果が出ない中で試行錯誤していくことが求められます)

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