【部活・サークル編】学生時代に頑張ったことの伝え方徹底解説
どの企業においてもESや面接で問われる「学生時代に頑張ったこと」。
いわゆる”ガクチカ”は、企業が就活生を知るための有効なエピソードとなります。
部活・サークルでの取り組みに力をいれ、伝えるエピソードに自信のある方も多いと思いますが、同じような似たテーマを話す人も多くなってしまいます。
今回は「部活・サークル」をテーマに学生時代に打ち込んだことを伝える際の注意点とアドバイスをご紹介していきたいと思います。
学生時代に頑張ったことの伝え方(テーマ共通)はこちらから:
「部活・サークル活動」の特徴
「部活・サークル」をテーマにアピールする場合のメリットとしては、面接官が理解しやすいことです。
面接官自身も過去に同様のサークルの経験をしていたり、面接を通して学生の話を聞く機会があるため、活動内容を聞けばおおよその難易度がわかります。
また、採用ターゲットの大学の有名サークルの活動については頭に入っており、面接官も一定量の知識を持っていることがあります(〇〇大の△△サークルは練習がハードで強豪、××サークルは楽しむためのサークルであまり熱心に練習していない など)
一方、デメリットとしては、同じようなエピソードを話す学生が多く、差別化がしにくいという点が挙げられます。
したがって、『「学生時代に頑張ったこと」で差をつける6つの要素』でお伝えした
1.定量的(数字を使って)に伝える
2. ビジネスの場面を想定しながら伝える
3.自分の強みを意識した上でエピソード伝える
の3つを意識しながら差別化できるようにしていきましょう。。
テーマ別攻略法
優勝を目指す(成果にこだわる)
何らかの競争において優勝することを目指して活動してきた場合のアピール方法。
主に、リーダーとしてチームをマネジメントする立場として活躍する場合とプレーヤーとして活躍する場合の2パターンあります。
1. リーダーとして成果を残す
キャプテンや主将として、チームで成果を出すことを求められている場合がこのパターンにあてはまります。
リーダーである以上、自身の成果を出す努力をするだけでなく、「いかにチームで勝つか」というマネジメントも問われます。
その際に、リーダーシップ・マネジメントについて持論を展開するだけでなく、ビジネスの場面でどのように語られているのかを知るとESや面接でアピールするときの参考になります。
何故なら、ビジネスにおいてもリーダーシップやマネジメントは大きなテーマの1つであり、多くの学者や経営者によって研究されています。
ゼロから自分でどのような取り組みをしたのかを考えるよりも、既に体系立っている理論があるのでこれらを参考にする方がより効率的に説得力のあるアピールをしていくことができます。
(あくまでも参考として使いましょう。知識をひけらかしたり自慢したりすると、かえって逆効果になります。)
リーダーシップについてはこちらの記事を参照:
また、下記のような本はマネジメントやリーダーシップを理解するのに役立つでしょう。
ビジネスマンなら大抵読んでいる本であり、参考になる点が多いです。
モチベーションについて語るのであれば、必読。
リーダーとして成果を出す際に求められる力
リーダーシップ
強制力
チームワーク
達成指向性
イニシアティブ
対人インパクト
自信〔自己貫徹力〕
セルフコントロール
2. プレーヤーとして成果を残す
主将やキャプテンは別にいて、あなたはプレーヤー・選手として成果を挙げることをチームから求められている場合について。
この場合、「チーム全体の成果×自身の貢献度」で特筆すべき事があればアピールしていこう。(チーム〇〇得点中▲▲得点を自分が上げたなど)
あなたが主将やキャプテンでなくても「成果の大きさ」と「あなたの貢献度」を客観的に判断できれば企業から評価してもらえるでしょう。
もし特筆すべきことがなければ、目標を達成するために行った過程などでアピールしていくとよいでしょう。(他の選手よりも自主練を一日1時間増やして誰にも負けない技術を体得した、自分の体得した技術を他のメンバーにも共有した、など)
リーダー経験がなくても、このような達成に向けての地道な取り組みができるのは大きな強みの一つです。
皆さんが社会人となり、会社に入社すると、チームの中で一番経験が浅く、スキルも皆無といった状況に置かれます。
大抵リーダーシップを発揮するような経験(特にチームを引っ張るような経験)はもう少し先になります。
またリーダーシップのスキルについては、たとえ入社時に持ち合わせていなくても(そもそも、面接でリーダーシップの有無を見分けることが難しいのですが…)、入社後に仕事をこなす上で体得していくこともできます。
そのため、まずはフォロワーとしてチームの成果が出すための地道な取り組みが必要であり、採用においても意外と重要視されていたりします。
ただし、時間や労力を浪費しているだけの取り組みは評価されにくく、しっかりと頭を使って取り組んでいることが必要です。具体的にはPDCAサイクルを回していること(計画を立てて、実行し、振り返りを行い、次の行動につなげる)を伝えられると、より評価を得やすいでしょう
プレーヤーとして成果を出す際に求められる力
チームワーク
達成指向性
イニシアティブ
対人インパクト
自信〔自己貫徹力〕
セルフコントロール
組織貢献力
組織運営(人材マネジメント・モチベーション向上)
弱体化している組織の強化や、士気の下がっているメンバーのモチベーションを上げるなど組織運営に関わってきた場合があてはまります。
これらはビジネスとの類似性も高く面接官に伝えやすいトピックスではありますが、その分アピールの方法を間違ってしまうと薄っぺらな内容にも聞こえてしまいます。
下記の2冊はあなたの行動を整理する上でも参考になります。
『ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則』は20年も前の本になりますが参考になる部分は多く存在します。
組織運営に必要とされる力
リーダーシップ
強制力
達成指向性
自信〔自己貫徹力〕
組織貢献力
新歓活動
新歓活動はマーケティング、営業、人事といった要素が含まれています。
特に新歓の責任者は活動の戦略を建てる必要があり、マーケティングの考え方と非常に類似性があります。
例えば新入生の行動プロセスはマーケティングのフレームワークであるAIDMAの考え方がそのまま応用でき、どこにボトルネックがあるのかを考え、施策を打つということができます。
また新入生とのコミュニケーションをとる担当だった場合は、より営業などに近いスキルが必要になります。
みなさんも経験があると思いますが、大抵の新入部員ははじめからそのサークルに興味があったわけではなく、先輩の話を聞いていくうちにだんだん興味を持っていき、最終的に入部を決めるようになります。
これは営業でも必要となる力で、いかにお客さんのニーズを汲み取り、気持ちを変えていくかが重要になります。
下記の本はどのように人の心が動くのかについて多くの参考事例とともに書かれており、参考になるので是非読んでみることをおすすめします。
新歓活動に必要とされる力
企画
学園祭での販売
学園祭の企画などは、顧客のニーズの理解から何を売るかといった商品の設計まで関わることができますね。(ビジネスにおいてはマーケティングや企画開発に近い要素があります。)
プランを練って実行し、成果が売上という数値で表れるためアピールしやすいトピックスでもあります。
マーケティングの基本を知っておくと自身の取り組みをアピールしやすくなります。
広報
吹奏楽部の定期演奏会の集客など、団体の活動を知ってもらい、何かしらのアクションを取ってもらうための行動をした場合があてはまります。
新歓活動と同じく、マーケティングの知見があると、自身の活動を整理しやすくなります。
合宿の手配・企画
サークルでの合宿の手配・企画などの場合、毎年行っている仕事でもあり、また成果が見えにくい(「みんなが満足してくれた」など定性的なものが多く、説得力に欠ける)こともあり、アピールが難しいトピックスです。
このトッピックスを選ぶのであれば、合宿への参加率、満足度アンケートの変化など、前年とどう変わったかを定量的に語れるようになると良いでしょう。
営業(協賛)
学生団体の協賛集めやフリーペーパーの営業活動などがあてはまります。
「〇〇万円集めることができた」といった定量的な成果を残すことができるのでアピールしやすいトピックスでもあります。
より評価を高めるには、自身の成果(営業で稼いだ金額)と共にクライアントの役に立てたことも合わせて伝えるとよいでしょう。
ビジネスでは何かしらの価値を提供する対価として報酬を得ます。
「是非協賛してください!」という粘り強さだけでは不十分で、協賛いただく企業にとって協賛金を提供するメリットは何なのか、そして実際に協賛してもらって、企業にどの様な成果を残すことができたのかを語れると他の就活生と差をつけることができます。
団体立ち上げ
学生団体や新しくサークルを立ち上げた場合について。
面接をしていてよく耳にするのが、「仲の良い友達と楽しむためにイベント・サークルを立ち上げました」といったエピソードです。
もちろん、アクションに起こした点は評価できますが、ただ立ち上げただけでは高い評価を得ることができません。
ポイントは団体のコンセプトと結果/成果を語れるようにしておくことです。
コンセプト
・団体を立ち上げる上での課題・目標
・他の既存の団体とは何が違うのか
結果/成果
・イベントの集客人数、試合喧嘩
・新歓での入会メンバー数
・組織を強固にするために仕組みづくり
中学・高校での部活の成果
面接官をしていて時々聞かれるのが、「学生時代に頑張ったこと」について中高での部活の話をしても良いかどうか。
もちろん、大学時代の話をできるのがベストですが、中高時代の話をしてはイケない訳ではありません。
ただし、一定の成果が出ていることが条件でしょう。
というのも人はどんどん成長していきますので、(もちろん中高時代の頑張りは否定しませんが)逆に大学の4年間は何をしていたの?と聞きたくなってしまいます。
(あくまでも私個人の考えですが、)成果の基準としては、全国レベルで何らかの成果を残せていたら問題ないでしょう。
一方、特筆すべき成果を残せていないと、アピールするのは難しいかもしれません。
アピール方法
1. 成果をアピールする
取り組みにおいて既に一定の成果が出ている場合、それをアピールしていきましょう。
その際、「マーケットでの評価」と「経年での評価」の2つの観点から考えるとよいでしょう。
マーケットでの評価は「〇〇人中▲▲位をとった」などのように現在の競合と比較する方法。(「大会参加者数・参加大学数で〇〇位」「部内で〇〇番目に強い」など)
経年での評価は、「これまで〇〇位だったけれども、今年は▲▲位になれた」など、過去の先輩や自チームと比較する方法。(過去○○年間3部リーグだったが2部リーグに昇格できたなど。)
テニスやサッカーのようにメジャーなスポーツの場合は面接官も成果をイメージしてもらいやすいのですが、大学から始めるようなマイナーなスポーツの場合はイメージしにくいこともありますので、成果のアピールはを丁寧に行っていきましょう。
2. 過程をアピールする
就活の時期にまだ成果が出ていない場合は、目標に向けての過程をアピールすることでも自身の魅力をアピールすることは可能です。例としては下記のものが挙げられます。
練習へのコミット時間
1日〇〇時間練習してる、など投入時間をアピールする方法です。
どれくらいからアピールできるかは一概には言い切れませんが、週4日以上 1日2~3時間以上取り組みがあれば多い方といえるでしょう。
また、投入時間だけではなかなかアピールにつながらないので、他のメンバーとの比較をしながら伝えるとよいでしょう。(他の部員よりも毎日1時間多く自主練習をしている、など)
競合の把握
ビジネスにおいて競合について把握することは重要です。
関連する競技で有名な大学・サークル・プレーヤーを把握していることはそれだけ本気で打ち込んでいることのアピールにもつながります。
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2021/04/29
ES・面接テクニック ES対策, 学生時代に頑張ったこと, 面接対策
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