GAME FREAK(ゲームフリーク)の企業分析_純利益・ROE・ROAなど
ポケモンなどのゲーム開発を手掛けるゲームフリークの決算公告です。
ゲームフリークは1989年4月創業で、ポケモンをリリースするまでは主にスーパーファミコンソフトを主に開発していたようです。
落ちゲーの「ヨッシーのたまご」やマウスでプレイする「マリオとワリオ」などは比較的知名度があったのかと思います(20代後半~30代じゃないとわからないかもしれません…)。ゲームコントローラーではなく、マウスでマリオを操作するというのは面白い試みだったと思います。
ポケモンシリーズは1996年に「ポケットモンスター 赤・緑」が発売され、以降20年近く新作が作られ続けている大作シリーズですね。
ポケモンシリーズ以外にも「ソリティ馬」や「リズムハンターハーモナイト」などのソフトをリリースしているようですが、ポケモンシリーズほどの知名度はないようです。
ちなみに、今回の公告はゲームフリークが、スマートフォン向けゲームの開発・販売を行なっている「コアゲームス」を合併した内容となっています。
ゲームフリークの業績分析
決算期 | 当期純利益 [億円] |
流動資産 [億円] |
固定資産 [億円] |
総資産 [億円] |
流動負債 [億円] |
固定負債 [億円] |
株主資本 [億円] |
利益剰余金 [億円] |
株主資本 比率 |
ROE | ROA |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2015年3月 | 16.4 | 62.1 | 46.5 | 108.6 | 8.7 | – | 99.8 | 99.7 | 92.0% | 16.4% | 15.1% |
ゲームフリークの売上は非公開のため不明ですが、当期純利益は16.4億円とかなりの好業績(14年11月発売の「ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア」が影響しているのかもしれません)。
そして、なんといっても驚きなのは、社員数81名(2015年4月)でこの業績を上げていること。社員一人あたり2,022万円の当期純利益を生み出しています。
(会社にもよりますが、おおよそこの程度の社員数の会社であれば当期純利益が1/10程度の会社がほとんどです。)
資産の6割程度(62億円)が流動資産で、流動負債の額(8.7億円)と比べても十分大きく経営はかなり安定しているといえるでしょう。
一方、固定資産は46億円とゲームの開発をしている81名の会社としてはかなり大きな金額となっています。(ゲーム開発に大掛かりな土地や建物、設備は必要ないので有形固定資産ではなさそうです)
会社概要によると、関連会社として「株式会社ポケモン」が記載されていますので、株式会社ポケモンの株を「長期保有の株式」として保有しているのかもしれません(会社概要には詳しく書かれておりませんので、あくまでも推測でしかありませんが)。
株式会社ポケモンについては以前就活総研でも取り上げましたね。
ちなみに、任天堂は株式会社ポケモンの株式の32%を保有しています(任天堂株式会社 第75期 有価証券報告書より)
ちなみに今回合併するコアゲームスは、2012年10月創業の会社でスマートフォン向けゲームの開発・販売を行なっています。(これまで制作したゲームを見てもあまりパッとしない印象です…)
業績の方は、当期純損失(赤字)が6,700万円、利益剰余金が-2.81億円、株主資本もマイナスというかなり危機的な状況。3年で2.8億もつぎ込んだのが逆にすごいように思います…。
ビジネスの形態から流動資産や流動負債が膨らむのはイメージが付きますが、資産の大半が固定資産(1.93億円 総資産の75%)となっており、実態はよくわかりません。
ちなみにコアゲームスの代表取締役の富永氏はリクルート出身で、ゲームフリーク取締役、株式会社ポケモン取締役、リンクアンドモチベーション監査役(非常勤)などを務めていらっしゃいます(株式会社リンクアンドモチベーション 有価証券報告書より)
合併の背景は、「ゲームフリークがスマートフォン向けゲーム市場に積極的に出て行くため」というよりも、「コアゲームスのスマホゲーム事業が上手くいかず、その清算のため」といった面が大きいのかもしれません。(詳細は記載されていませんので、あくまでも個人的な見解です)
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