学生時代に頑張ったことで人事は何を評価しているか
就職活動を通して必ず聞かれる「学生時代に頑張ったこと」。
皆さんのESや面接でのエピソードから企業は何を評価しようとしているのでしょうか?
今回はなぜ頑張ったことを聞くのか、何を評価しているのかについて考えていきましょう。
1. なぜ人事は「学生時代に頑張ったこと」を聞くのか
「学生時代に頑張ったこと」で企業が確認したいのは、入社後ビジネスでの活躍の再現性と反復性です。
企業が皆さんに求めるのは自社のビジネスにおいて活躍し、企業価値を上げることに貢献してくれることです。
しかし、学生のほとんどの人がビジネスの経験が無いため、会社で活躍するかどうかのスキルや経験を直接的に見極めることは困非常に困難を極めます。
そこで企業は「学生の過去の経験」を聞くことでまだ経験したことのないビジネスの世界で活躍するかどうかを見極めています。
例えば、大学の新歓活動を思い返してください。
あなたはテニスサークルのキャプテンとして、何人かのテニス未経験の新入生の中から活躍してくれそうな人を選ぶ場面を想像してみてください。
たとえ、テニス未経験者であっても高校時代にサッカーで全国大会に出場している人がいれば、テニスの大会でも活躍してくれそうなことが想像できますね。
それはテニスのテクニックは皆無だけれども、基礎体力や相手との駆け引き、目標に向かって努力していくことの大切さなどを体得しているからでしょう。
(逆にいくら熱意を語ったとしても過去の実績がなければ説得力は小さくなってしまいます。)
採用においても同じことが言えます。
ビジネスのスキルはまだ足りていないけれども、これまでの思考・行動特性からその人が入社後に活躍してくれる人なのか(再現性)、それが長期間に渡り継続されるものなのか(反復性)を見極めていきます。
2. どうやって「頑張ったこと」を評価しているか
能力評価の難易度と採用で重視すること
人の能力は氷山に例えられます。(海面に出ている部分はごく一部で本体は海底に沈んでいて見えにくい)
下記の図のように「評価しやすいけれど本質的でないもの」から「評価しにくいけれど本質的なもの」まで、主に成果、スキル・能力、行動特性、人間性が挙げられます。
もちろん人事はより本質的な能力を見極めようとします。
成果
「成果」(大会での成果、バイトでの売上増の実績、TOEICの点数など)は評価しやすく、他者との比較も容易である一方、その人の本質的な能力とは異なる場合があります。
(たまたま試合で勝てたのかもしれないし、TOEICの対策をやっただけかもしれません)
スキル・能力
「スキル・能力」はその人の話を聞いていくと比較的わかりやすい部分ではありますが、まだその人の本質に達していません。
一般的に言われるロジカルシンキング(フェルミ推定やケース問題)は練習すれば容易に身につけられるものであり、その人の本質的な力ではありません。
行動特性
「行動特性」(人事用語ではコンピテンシーと呼んだりします)まで深く見ていくとその人の能力の本質的な部分がようやく見え始めます。
例えば、海外とのやりとりの多いA社にとって「外国語が話せる力」はもちろん重要ですが、それよりも「外国語が話せる素質・特性(自発的努力ができることや柔軟性がある)」のほうがより重要になります。
人は入社後にもスキル・能力を高めていくので、その素質行動特性を持っているかどうかの方が大切です。
人間性
「人間性」はその人を構成する上で非常に重要なのですが、数十分の面接はおろか数日間のインターンでさえも見極めるのは困難でしょう。
一緒に数年間働いてみてやっと分かる部分なので、採用時に真の人間性まで見ぬくことは困難です。(表面的な人間性は見えますが本質的な部分は可視化できません…)
みなさんもサークル活動をして逆境にさらされて初めてメンバーの人間性がみえてきたりしますよね。
信頼していたメンバーが逃げ出してしまったり、逆に非協力的と思い込んでいたメンバーが意外と情熱的で逆境を乗り越えたり…。
以上のことから、企業はできる限り行動特性を見極めようとします。
ではその行動特性をどのように見極めようとするかについてみていきましょう。
どのように行動特性を見極めるか
これは面接時に
・あなたのおかれた状況、環境
・その状況下でどのようなことを考えたか
・その考えにしたがって具体的にどの様な行動を起こしたのか
を確認していくことで見極めることができます。
この面接方法はコンピテンシー面接と呼ばれ、下記の本が参考になります。
【参考】 企業が求める人物像はどのように決まるか
企業がどの様な人物(どの様な行動特性を持っている人)を採用したいかはこちらの記事をご覧ください。
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2017/07/08
就活の裏話 ES対策, 学生時代に頑張ったこと, 採用の裏側, 面接対策
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