タリーズコーヒージャパンの企業分析_売上・営利・純利益など
コーヒーチェーン店のタリーズコーヒージャパンの決算公告です。
本拠地はアメリカシアトルにあり、日本のタリーズコーヒーはブランドライセンスをもらい展開しています。
創業者は現国会議員の松田公太氏で1998年に設立。創業の初期段階から三井物産のベンチャーキャピタルMVCから出資を受け、2001年にヘラクレスに上場、2006年には伊藤園の連結子会社となっています。伊藤園からタリーズブランドの缶コーヒーが出ているのはそういう訳です。
創業当時のエピソードは松田氏の著書にもかかれています。
タリーズコーヒージャパン株式会社の業績
決算期 | 当期純利益 [億円] |
流動資産 [億円] |
固定資産 [億円] |
総資産 [億円] |
株主資本 [億円] |
利益剰余金 [億円] |
株主資本 比率 |
ROE | ROA |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2015年4月 | 21.20 | 52.72 | 73.55 | 126.27 | 59.77 | 58.07 | 47.3% | 35.5% | 16.8% |
当期純利益は21億円となっています。
せっかくなので、他のコーヒーチェーン店と比較してみましょう。コーヒーチェーン店を展開している「タリーズコーヒー」「スターバックス」「ドトールコーヒー」「銀座ルノアール(ミヤマ珈琲など含む)」について有価証券報告書などを元に記載。
タリーズコーヒー ジャパン |
スターバックス | ドトールコーヒー | 銀座ルノアール | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
損益 計算書 |
決算期 | 2015年4月 | 2014年3月 | 2015年2月 | 2015年3月 | ||||
売上 [億円] |
260.4 | – | 1,256.7 | – | 685.0 | – | 70.3 | – | |
粗利 [億円] |
– | – | 926.9 | 73.8% | 338.3 | 49.4% | 61.4 | 87.4% | |
営利 [億円] |
35.7 | 13.7% | 109.5 | 8.7% | 42.1 | 6.1% | 3.0 | 4.3% | |
当期純利益 [億円] |
21.20 | 8.1% | 59.98 | 4.8% | 22.29 | 3.3% | 2.65 | 3.8% | |
資産 | 流動資産 [億円] |
52.72 | 42% | 317.99 | 44% | 336.84 | 54% | 22.31 | 34% |
固定資産 [億円] |
73.55 | 58% | 397.37 | 56% | 288.52 | 46% | 43.79 | 66% | |
総資産 [億円] |
126.27 | 100% | 715.37 | 100% | 625.36 | 100% | 66.10 | 100% | |
負債・ 純資産 |
流動負債 [億円] |
43.62 | 35% | 199.17 | 28% | 100.20 | 16% | 9.09 | 14% |
固定負債 [億円] |
22.87 | 18% | 48.43 | 7% | 46.88 | 7% | 4.22 | 6% | |
株主資本 [億円] |
59.77 | 47% | 465.48 | 65% | 469.95 | 75% | 52.49 | 79% | |
利益剰余金 [億円] |
58.07 | 46% | 268.76 | 38% | 240.78 | 39% | 35.00 | 53% | |
株主資本比率 | 47.3% | 65.1% | 75.1% | 79.4% | |||||
ROE | 35.5% | 12.9% | 4.7% | 5.0% | |||||
ROA | 16.8% | 8.4% | 3.6% | 4.0% | |||||
その他指標 | 店舗数 | 587 | 1,034 | 1,108 | 116 | ||||
(直営店) | ー | 986(95%) | 180(16%) | 115(99%) | |||||
(FC店) | ー | 48(5%) | 928(84%) | 1(1%) |
※各企業とも単体の業績。
タリーズコーヒー:伊藤園 株主説明会資料より
スターバックス:スターバックスコーヒージャパン 有価証券報告書より
ドトールコーヒー:ドトールコーヒー 決算公告より
銀座ルノアール:銀座ルノアール 有価証券報告書より
売上規模では、「スターバックス」>「ドトール」>「タリーズ」>「銀座ルノアール」となっていますが、営業利益率では「タリーズ」>「スタバ」>「ドトール」>「ルノアール」と順位が変化しています。
資産に着目すると、ドトールコーヒーは他社よりも固定資産の比率が低いことがわかります。一方、店舗数を見るとドトールコーヒーは他の2社にくらべて圧倒的にFC店(フランチャイズ店:ブランド名や運営ノウハウをオーナーに提供する代わりにライセンス料をもらうモデル)の比率が圧倒的に高く、固定資産比率が低いのはFC店比率の高さ(自社で店舗を用意しなくてよいので、固定資産(土地や建物)が少なくて済む)ことがわかります。
それぞれの企業を一言で表すと、
スターバックス:ダントツの売上規模(1,256億円で2位のドトールの1.8倍)
タリーズ:高い利益率(13.7%で2位のスタバの1.6倍)
ドトール:高いフランチャイズ率(FC店が84%を占める)
ルノアール:地域特化(関東圏中心)で直営店
といったところでしょうか。
みなさんもカフェに立ち寄る機会がありましたら、これらの数字を思い出しながらコーヒーを飲んでみてはいかがでしょうか?
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