インターン選考体験記 総合職
- 16卒
2016年入社 三菱商事のインターンシップのエントリーシート設問についての対策について。
三菱商事について
まずは三菱商事について知っておきましょう。
三菱商事株式会社
創業日:1954年7月1日(設立1950年4月1日)
資本金: 2044億円
従業員数:65,975名 2013年3月31日現在
連結売上高: 20.2兆円(2013年3月期)
事業概要 :地球環境・インフラ事業、新産業金融事業、エネルギー事業、金属、機械、化学品、生活産業
IR情報を元にした企業分析やセグメント別の詳細情報のまとめはこちらから『IR情報からみる三菱商事の企業分析』
どのようなビジネスをしているかより詳しく知りたい方は、下記の書籍が参考になります。
三菱商事の部長級の方々の講義をまとめられています。
講義で使われたスライドなども含まれており、会社を知る上で非常に参考になります。
設問
・本インターンシップを通じてどのように成長したいかを教えてください。 (200文字以下)
・あなたが考える総合商社の機能を説明してください。 (200文字以下)
・三菱商事のビジネスの中で関心のある事業を一つ取り上げ、興味を持った理由を教えてください。 (200文字以下)
・興味のある部門・グループを志望順に1~8の順に並べてください。
1.ビジネスサービス部門
2.地球環境・インフラ事業グループ
3.新産業金融グループ
4.エネルギー事業部
5.金属グループ
6.機械グループ
7.化学品グループ
8.生活産業グループ
考察
どの設問も文字数が少ないので、簡潔に・説得力のある文章を書いていこう。
大学での学業や課外活動について記載する項目が無いので、それぞれの設問の回答から地頭の良さをアピールできるようにしていきたい。
あなたが考える総合商社の機能を説明してください
現在の総合商社の機能としては主に3つに分類できる。
1. 物流、商取引
旧来から存在する、トレーディングの機能。
国内外需給バランスを把握しながら、調達、輸送、保管、配送などの物流をサポートする機能。
商社の設立当時から存在する機能であり、現在も一定割合を占める。
ただし、情報技術の発達や、各企業のグローバル化に伴い、その重要性は低下しつつある。
2. リスクマネジメント
ビジネスを遂行する上でのリスクをコントロールする機能。
各種金融手法やこれまでの情報の蓄積によりリスクを回避していく。
一見地味に思われるかもしれないが、商社が無くならない理由の一つでもあり、三菱商事が総合商社の中でも成功している理由でもある。
三井物産や住友商事などはリスクの読みが甘く、巨額損失を計上することも。
例:
三井物産 メキシコ湾原油流出事故 2010年
住友商事 シェールガス投資における巨額損失 2014年
手堅いところが三菱商事の強みでもある。
3. 市場開拓、オーガナイズ機能
幅広い社内ネットワーク、取引企業を活かし、新規マーケット開拓の際の情報収集、企画、パートナー企業との連携、資金調達などを取りまとめ、プロジェクトを成功させる機能。
現在の商社の花型的機能であり、就活生向けにアピールされる要素でもあります。
ただし、これに関われる社員はごく僅かで限られているのが現状です。
(新規開拓の事業は多く存在しますが、三菱商事単体従業員5,600人から見れば関われる割合は少なくなってしまいます。)
個人的まとめ
個人的にはリスクマネジメント・オーガナイズ機能を中心に書いていくと良いかと思います。
というのも、それが三菱商事の強みでもありますし、三菱商事の本採用でも問われる「信頼」「やり遂げること」にもつながるからです。
もちろん新規市場の開拓について触れても良いと思いますが、あまり重点を置き過ぎると、企業側からみたリスクにもつながりかねません。
採用メッセージ・アピールにおいて新規事業、市場開拓に言及されることがありますが、それに関われるのはごくごく一部であり、その他大多数は既存の事業の既存の取引の延長の仕事に従事することになります。
「新規事業に関われなかったら商社に行きたくない!」という人は是非記載すべきだと思いますが、そうでない場合、会社から見た時に配属しにくい人材になってしまいかねません。
書き方としては、商社の機能の解説にならないように注意してください。
「あなたが考える総合商社の機能」ですので、あなたの意見や考えも盛り込みつつ書いていくとよいでしょう。
興味のある部門・グループについて
三菱商事の会社情報、採用情報、投資家向け情報などから各部門について解説。
個人の判断に基づく解説であるため、真偽については各人OB訪問などで社員に聞くなどして確認してください。
1.ビジネスサービス部門
三菱商事のIT戦略について、戦略・企画・開発・運用までをトータルで担当する部門。
IT戦略といっても大規模なシステム開発などが中心で、NRI(野村総合研究所)やNTTデータなどのSIerに近い(とはいっても開発ではなく、発注する側である)部門。
2.地球環境・インフラ事業グループ
「環境事業本部」「新エネルギー・電力事業本部」「インフラ事業本部」の3本部から構成され、電力、水、交通や、その他産業基盤となるインフラ分野においてビジネスを行う部門。
2013年までは社長直下にあった部署でもある。
クリーンエネルギー、水ビジネス、スマートシティなどのビジネスが該当する。
3.新産業金融グループ
2007年に始まった比較的新しい部署。
金融手法を駆使し、企業のアセットマネジメント、インフラ向け投資、企業のバイアウト投資から、リース、不動産開発、物流など幅広くビジネスを展開する。
商社のなかでも若干異色な部門でもあり、外資系金融などに興味がある人は親和性が高いでしょう。
4.エネルギー事業部
エネルギー資源を確保、安定供給を実現する部署。
地球環境、インフラグループと異なり、旧来型の化石燃料系の取引を中心に行う部門である。
5.金属グループ
鉄鋼製品・鉄鋼原料、非鉄金属などの資源を確保、安定供給を行う部署。
旧来から存在する部署であり、商社らしい部署。
子会社にメタルワンなどがある。
6.機械グループ
「産業機械」「船舶」「防衛・宇宙」「自動車」などの分野でビジネスを行う部署。
こちらの部署は調達よりも販売(輸出)・アフターサービス等が中心となる。
宇宙ビジネスに興味がある人もいらっしゃるかもしれませんが、「防衛・宇宙」に配属されるのはごくまれで隔年で1人程度とのインナー情報もあります。
7.化学品グループ
汎用化学品分野(工業塩や肥料などの調達を中心に行う)、機能化学品分野(合成樹脂や電子材料などの販売を中心に行う)、ライフサイエンス分野(食品化学、医薬・農薬などを扱う)の3分野に於いて事業を展開。
8.生活産業グループ
食料、繊維、生活物資、ヘルスケア、流通・小売りなどの分野でビジネスを行うグループ。
IR情報から各グループを知る
それぞれのグループについては、IR情報のセグメント別情報も参考にすると良いでしょう。
セグメント | 取扱商品・サービス | 主要連結子会社 |
---|---|---|
新産業金融事業 | アセットマネジメント、バイアウト投資、リース、不動産(開発・金融)、物流 他 | 三菱商事ロジスティクス、三菱商事・ユービーエス・リアルティ、MCアビエーション・パートナーズ、DIAMOND REALTY INVESTMENT |
エネルギー事業 | 石油製品、炭素、原油、LPG、LNG 他 | 三菱商事石油 |
金属 | 鉄鋼製品、石炭、鉄鉱石、非鉄金属地金、原料、非鉄金属製品 | メタルワン、ジエコ |
機械 | エレベーター、プラント、船舶、自動車、産業機械、宇宙 他 | レンタルのニッケン |
化学品 | 石油化学製品、合成繊維原料、肥料、機能化学品、合成樹脂原料・製品、食品・飼料添加物、医療・農薬、電子材料 他 | 三菱商事プラスチック、興人ホールディングス、エムシー・ファーティコム、三菱商事ケミカル、三菱商事ライフサイエンス |
生活産業 | 食料、繊維、生活物資、ヘルスケア、物流・小売 他 | 日本ケアサプライ、三菱食品、日本農産工業、東洋冷蔵、日本ケンタッキー・フライド・チキン、三菱商事建材、 |
その他 | 財務、経理、人事、総務関連、IT、新エネルギー、海外電力、環境・水関連事業、重電機、鉄道、保険 他 | DIAMOND GENERATING CORPORATION、三菱商事フィナンシャルサービス、アイ・ティ・フロンティア |
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